東別院の桃色スパークリング
生タマゴShow!の話になります。御堂会館、東別院ホールと2週に渡って真宗大谷派色の濃ゆい会場で開催されたわけですが、何を隠そう全部巡礼してきました。
積もる話もほどほどに、早速一人スレからセットリストをお借りしますと、こんな感じ。
【出演】ハロプロ研修生 /こぶしファクトリー
ハロプロ研修生:山岸理子・一岡伶奈・加賀楓・岸本ゆめの・井上ひかる・横川夢衣・新沼希空・段原瑠々・船木結・竹村未羽・斎藤夏奈
浅倉樹々・小野田紗栞・橋本渚・堀江葵月・小片リサ・島野萌々子・谷本安美・高瀬くるみ(新人)
こぶしファクトリー:藤井梨央・広瀬彩海・野村みな美・小川麗奈・浜浦彩乃・田口夏実・和田桜子・井上玲音
M1 Say!Hello!(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M2 女の園(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M3 さくら満開(モーニング娘。さくら組曲) 山岸・岸本・井上(ひ)・浅倉・小野田・橋本・島野 昼公演
桜→入学式(Berryz工房曲) 浅倉・小野田・橋本・堀江・小片・島野・高瀬 夜公演
M4 桃色スパークリング(℃-ute曲) 岸本・段原・船木・浅倉・小野田 昼公演
旅立ちの春が来た(アンジュルム曲) 山岸・一岡・加賀・岸本・井上(ひ)・段原・船木 夜公演
M5 甘酸っぱい春にサクラサク(ベリキュー曲) 加賀・岸本・和田・藤井・井上・横川・新沼・段原・船木・竹村・小野田・高瀬
M6 coming soon… カントリー・ガールズ 東京公演のみ
M7 coming soon… カントリー・ガールズ 東京公演のみ
M8 モーニングコーヒー(モーニング娘。曲) 山岸・一岡・橋本・堀江・小片
M9 あなたなしでは生きてゆけない(Berryz工房曲) 岸本・和田・藤井・井上(ひ)・横川・新沼・竹村・小野田
M10 まっさらブルージーンズ(℃-ute曲) 浜浦・田口・段原・船木・浅倉・島野・井上(玲)
M11 夢見る15歳(アンジュルム曲) 小川・野村・加賀・広瀬
M12 念には念 こぶしファクトリー
M13 テーブル席空いててもカウンター席(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M14 恋したい新党(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M15 「アイドルはロボット」って昭和の話しね(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M16 おへその国からこんにちは(ハロプロ研修生曲) ハロプロ研修生
M17 青春Beatは16(ハロプロ研修生) ハロプロ研修生
出演者はハロプロ研修生 /こぶしファクトリーとなっていますが、「こぶし」として歌うのはM12「念には念」のみで後は普段どおり。カントリーガールズの出演は東京公演限定なので全15曲ということになります。取り敢えず印象に残った事をズラズラっと。
・桃色スパークリング(岸本・段原・船木・浅倉・小野田)
昼公演のみの回替わり曲。前回の生タマゴからの新加入組でモーニング娘。12期オーデ最終合宿メンバーだった浅倉と小野田、そして岸本、段原、船木という現行の研修生では歌唱スキル上位メンバー3人によるパフォーマンス。、
生タマゴ初登場の前回、未経験者ながらダンスで非凡な才能を発揮し注目を集めた浅倉樹々ですが、歌に関しては全くの未知数。この曲では愛理パートということで、いきなり歌い出しを担当するも、まだまだ探り探りで不安定な歌唱。
歌い出し以外のパートや、ゆったりとした曲調の「桜→入学式」なんかだと、しっかりと声も出ていたので、歌自体は別に苦手なわけではないようです。リハーサル日記を読むかぎり、練習熱心というか鞘師的な求道者っぽい匂いがするので、本人が課題に上げてるようにリズムの正確性を掴むことによって、まだまだ歌の実力を伸ばしてくるんじゃないでしょうか。
公演全体を通しての歌割りも多く、やはり相当期待されてる事が窺われます。あと、千秋楽の東別院夜公演で自枠席が下手寄り前方の「まっさら浅倉ラミラミ」パワースポットだった事を最後に報告しておきます。
段原瑠々はアクターズスクール広島出身ということもあって、いわゆる「歌うまキッズ」的な存在と思われがちですが、おそらく段原同様ここ数年開催された「娘。オーディション」には全国各地から歌自慢のスクール生が数多くエントリーしてきたものと思われます。にも関わらず実際モーニング娘。にストレートインしてきたメンバーの顔ぶれを見てみると「段原」どころか一般の中高生レベルの平均値を余裕で下回るような、まあ誰とは言わないまでもいるわけです。
歌唱力に定評のある「小田さくら」やアンジュルムの「室田瑞希」にしても「ハロプロ研修生」としての活動を通じて才能を開花させたパターンで、元々即戦力級に歌がうまかった訳ではありません。要するに「完成品」を求めてないフシがある。
じゃあ何故にバリバリの歌うまスクール生だった段原のみに「ハロプロ」の門戸が開かれたのか。その答えがこの「桃色スパークリング」にはあったと。そんな風に思うわけです。
実に自然体な歌声といいますか、歌のうまい人にありがちな押し付けがましい所が一切なく、肩の力の抜けた、力みのない軽やかな歌唱です。ちょっとハスキーがかった少年ぽい歌声は確固たる個性を主張し、得難い魅力の源泉となっています。つまり聞いていて気持ちのいい歌声なんですね。あの、大風呂敷を広げたわりに理由がいまいち頼りないと見る向きも無きにしもあらずですが、先に進みますよ。
浪速の黒豹という言葉を想起させる岸本ゆめのには、今回の生タマゴShow全体を通してエース級の見せ場が与えられました。「桃色スパークリング」に関しては中島パート担当という事で歌割り控え目でしたが「あなたなしでは生きてゆけない」ではパワフルなボーカルを爆発させ、新沼希空とともに歌唱力の成長ぶりを見せつけました。短いようですが先を急ぎます。
とかくキャラクター性やビジュアル面ばかりが注目されがちな船木結ですが、彼女の持つ最大の特性はその声にあると思うわけです。あんなクリクリした感じのルックスに似合わぬハスキーボイス。あと、自己プロデュース過多というか試行錯誤し過ぎて逆に面白いことになってる時がある。おそらく「桃色スパークリング」を想定して書いたと思われる船木のリハーサル日記の記述です。
今回のツアーは春っぽい可愛い曲が多くて、私は声が太いので女の子らしい声を出せるように練習しました!!!
彼女の自己評価だと「太くて女の子らしからぬ声」をしているそうなのですが、ハスキーなだけで別に太いわけじゃないし、十二分に女の子らしい可愛い声だと思うんですよね、ハスキーなだけで。でも船木自身はそう思ってないもんだから、おそらく「桃色スパークリング」を歌うにあたってその辺を過剰に意識しちゃってる。おそらく家でもバッチリ練習してきたのしょう。で、結果やりすぎて何だか物凄くブリブリした歌い方になってしまうという。この一見、策士策に溺れてるように見えて、図らずもさらなる新境地を開拓してしまうあたりの非凡さが船木なのだなあと。船木の深みを噛みしめるわけです。
あの、ここまで書いといてアレなんですが、本当は理子ちゃんコールがこだました「モーニングコーヒー」での堀江葵月の侮れない歌の上手さやら、クール浜ちゃん大活躍の「まっさらブルージーンズ」、あと「夢見る15才」での加賀楓と広瀬彩海の事なんかも書こうと思っていたのですが、このペースだと到底書けそうにありません、なので書きません。
今回セットリスト的に見どころが多く、その中でもベストだったのがこの「桃色スパークリング」という事になる。それで、結局のところ何が一番書きたかったのかというと、つまり小野田紗栞が思いのほか良い声だったという話です。
浜松の鞘師里保
小野田紗栞は「ハロプロ研修生」に加入する以前、地元浜松にある芸能スクール「ヒーローズアカデミー」に所属しており、そこで「ぷりんせす♪りぼん」なるアイドルグループの一員として、いわゆるロコドルとして活動していた経歴を持ちます。
この辺りの活動はYoutubeに動画がゴロゴロと転がっているので、片っ端から漁りまくった方ならご存知の事でしょうが、地域密着型の活動を中心にしており、おもに地元のお祭りや催し物会場での屋外ステージでパフォーマンスを披露していたようです。
元気溌溂ジャージャー系の応援スタイルですが、ダンスしながらの生歌パフォーマンスからは、それなりに厳しいレッスンの跡が窺えます。
2013年、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」ブームの頃に開催された「全国『あまちゃん』マップ!あなたの町おこしキャンペーン」では静岡県代表にも選ばれ、ロコヲタ界隈では知る人ぞ知る存在だったのかも知れません。ちなみに栃木県代表には「とちおとめ25」*1、群馬県代表には「CoCoRo学園」*2が選ばれています。
オリジナルCDも2枚リリースされており、在庫が残ってたらおそらく買えるんじゃないでしょうか。何かヒーローズアカデミーの回し者みたいになってますが、一応貼っときます。
ダウンロード販売もありました。別に回し者ではありません。
http://song-maker.com/produce.html#sell
南波一海氏編纂による全国のロコドル楽曲を集めたコンピレーションCDにも2ndシングル「プリティ♪ぷりんせす 」が収録されています。ちなみに「モンソレイユ415」*3の楽曲も収録されているという豪華版。
何か「ぷりんせす♪りぼん」の宣伝隊長みたいになってますが、現在「ぷりんせす♪りぼん」は活動していません。まあ「さおりん」が辞めちゃったからなんですが。
小学生3人組ユニットとして「ぷりんせす♪りぼん」が結成されたのが2010年10月31日ですから小野田は小学3年生からアイドルとして活動している事になります。
途中メンバーが1人抜けてからは小野田紗栞と谷本ますほの2人組グループとして地元浜松を中心に活動を続けていたわけですが、昨年「ぷり♪ぼん」の活動と平行して参加した「モーニング娘。’14 <黄金(ゴールデン)>オーディション!」によって小野田と「ぷり♪ぼん」に大きな転機が訪れます。
持ち前の「ハロプロ顔」によるものか、はたまた長年培ってきた歌とダンスによるものなのかは分かりませんが、激戦を勝ち残り「尾形春水」「野中美希」「島村嬉唄」「小関舞」らとともに最終合宿審査まで駒を進めることになったのです。モーニング娘。12期メンバーの線からは漏れたものの「ハロプロ研修生」への加入を打診されるわけですよ小野田は。「君もおへその国に入ってみないか」とね。
日本全国で活動する「ロコドル」たちが、昨年行われた「モーニング娘。12期オーディション」に参加していた事は「南波一海のアイドル三十六房」での橋本慎氏の発言からも明らかで、実際、三次審査落選から「カントリー・ガールズ」に選ばれた森戸知沙希や、舞台出演の都合で加入時期が遅れたものの小野田同様「ハロプロ研修生」に加入した高瀬くるみのように「ロコドル」界ではソコソコ名の知れた存在までもが「ハロプロ」を目指すという。これは別に「ハロプロ」に限った話ではなく、ローカルから脱しメジャーに進出するという傾向は確かにあるようです。
甘いのか厳しいのか基準のよく分からない審査をくぐり抜けて、実際に「ハロプロ」に入ってくる「元ロコドル」は氷山の一角に過ぎないのでしょう。
小野田紗栞は「THEジュニアアイドル」然とした見た目から受ける印象とは違い、意外と声がしっかりしている、どう表現したらいいのか難しいのですが、太甘い感じというか独特の歌声を持っているんですね。傾向としては藤本美貴とか萩原舞みたいな感じ。似ているわけじゃなくて傾向としてあの感じ。
でね。思いのほか長々と書いてしまい自分でもびっくりしてるのですが、新入りにもかかわらず結構な出番があったんですね、小野田には。その中でも一番いい感じで小野田の歌声が響いてたのが「桃色スパークリング」のこの部分だったと、これが言いたかった。
冷んやりな【船木】
キスをしちゃうよ Oh 【小野田】←←←← ここ!!
スパークリング CHUッCHU【岸本】
Un シュワッシュ【全員】
あの、これが言いたかっただけなんです。
ネクスト「こぶしファクトリー」考察
命名「こぶしファクトリー」
(先に断っておきますが大遅報です)ついにというか、やっとというか、ついに浜浦、田口、小川、野村、藤井、和田、広瀬、井上(怜)の8名からなる「ハロプロ新ユニット」の正式なグループ名が決定しました。その名も「こぶしファクトリー」。
インディーズ系弱小プロレス団体みたいなネーミングセンスに賛否両論ありつつも、その話題は瞬く間にネット上を駆け抜けます。
こぶしファクトリー、1位獲得。Twitterトレンドなどで | ハロプロ研修生 | BARKS音楽ニュース
Berryz工房*1の清水佐紀が「ハロプロアドバイザー」という、暇と情熱を持て余したハロヲタにとって夢のようなポストに就任。その初仕事となったのが、先日まで簡易的に「はまちゃんず」などと呼ばれていた連中の「正式なユニット名」決定に絡んだプロジェクトチームへの参加という、大変重要なものでした。
つまりキャプテンは「こぶしファクトリー」というユニット名の決定に少なからず関与したという事になるわけで、言うなればこの「こぶしファクトリー」を推進する勢力に加担したといって過言ではないわけです。メンバーからすれば「こぶしは、ちょっと・・・」という感情が湧き上がらなかったと言えば嘘になる、でも「キャプテン」のお墨付きとなれば話は変わってくるのです。その名前にBerryz工房の意志を引き継ぐという意味で「ファクトリー」を入れたなんて話を聞かされた日には尚の事。
しかし「こぶしファクトリー」ですからね。かっこいい名前ではないですよ少なくとも。たしかにインパクトはある、「怪傑!トロピカル丸」の次くらいにはある。山ほどアイドルグループがいる中でインパクトや差別化は勿論必要なんでしょうが「東京女子流」や「夢みるアドレセンス」といった都会的で小洒落たグループ名と比べて「こぶしファクトリー」のもっさりした響きからは、どこか地方のロコドルを彷彿とさせるものがあります。
この並びに混じっても全く違和感がないどころか、むしろ人口密度的に一番低そうじゃないですか。「こぶしファクトリー」という名前の醸し出すこの「垢ぬけ無さ」「野暮ったさ」「洗練されてなさ」たるや、東京タワーの麓に居を構える大手芸能プロダクションが満を持して送り出す、そんなグループにとって本当に相応しいものと言えるのか。この子たちが「こぶしファクトリー」って!!
!!!!!!……。まあ…しかし…。あの…こうやって見ると案外、浜ちゃんあたりもスタイルこそ抜群ですが、顔なんか見ると白いヘルメット被って山道を自転車通学してそうな雰囲気ありますもんねこれは。実際「れなこ」なんかは結構な田舎に住んでるとか。そう考えると、まあ洗練されてはいないか全体的に。
これ大胆に推測しますとね。実際は「こぶしファクトリー」なるユニット名があらかじめ決まっていて、この「こぶしファクトリー」という名前が持つイメージに相応しい、そのコンセプトに合致したメンバーを「ハロプロ研修生」の中からチョイスしていったんじゃないのかと、こう考えてみるわけですよ。いわゆる「コペルニクス的転回」ってやつですね。
つまり、まず最初に「こぶしファクトリー」ありきで、逆に「こぶしファクトリー」サイドにメンバーを寄せていった結果、今回選ばれたこの8人になったと、こう考えるわけです。そうすると色々腑に落ちてくる。
いや~スッキリしました。
なんてね…、そんな風に自分を誤魔化してみても虚しくなるばかり。「はまちゃん」「れいれい」クラスでは太刀打ち出来ないほどの「こぶしカースト上位」に鎮座する「非こぶし研修生」なんてゴロゴロと転がってる、その現実から目を逸らすわけにはいきません。そもそもメンバーを「こぶし」に寄せていったのなら真っ先に「〇〇でぃー」が選ばれてなきゃおかしいじゃないですか!!
(画像はイメージです)
結局のところ、ヲタが百人百様の「理由づけ」をしたところで答えなんて出てこない。
これがもし「つんく先生」直々にメンバーを選んだとかならね、たとえ選んだという体であったとしても、それなりの選考理由なりメンバー評でもって煙に巻く事も出来たでしょう。何だかんだ言って、つんくピコーンへの耐性と、それを甘受するだけの寛容さは持ちあわせている俺たちです。ヲタも納得するしか無いし、それなりの説得力もあったはず。
しかし、ご存知のように「つんく氏」がハロプロ最前線から距離をおいて久しく、一連のハロプロ正規メンバー「大量昇格」人事に関わった痕跡もありません。ツイッター上での発言も「子供のお弁当」だの「朝ごはんのメニュー報告」に終始する毎日。新たに誕生した「カントリーガールズ」や「こぶしファクトリー」について言及することはないのです。
がきの頃は茶碗蒸しに入ってる百合根が甘くて好きじゃなかったけど、大人になると食べれちゃうというかその趣を認めざるを得ないよね。
— つんく♂ (@tsunkuboy) 2015年2月22日
残されたモヤモヤ感
先日行われた「Berryz感謝祭」においてステージデビューを飾った「こぶしファクトリー」ですが、お披露目されたデビュー曲「念には念」のパフォーマンスに対するハロヲタ諸氏からの評判も上々だったようで、元トレイニー勢の歌唱スキルの高さを賞賛する声も多く聞かれました。「こぶし」なかなか良いじゃない、やるじゃないと。
これ通常の「ハロヲタ」の方からすればイマイチ伝わりにくい感覚だと思うんですが、常日頃から「おへその国からこんにちは」しちゃってるような「生タマゴShow!」通いが辞められないタイプの人間からすると、モヤモヤ感を禁じ得ない、何とも複雑な気持ちになるのです。
ここまで長々と駄文を積み重ねてきて、だらだら奥歯に物が挟まったような事ばかり書きやがって、結局、お前は何が言いたいんだと。お前はどこのワカメじゃとね。そう思われた事でしょう。しかたありません。大変言いにくいことですが言っちゃいますよ。内緒にしといてくださいね。
「ハロプロ研修生」には現在、北は北海道から、みなみは「野村みなみな」まで全国各地から選りすぐられた総勢27人ものメンバーが所属しておるわけです。その中から選ばれた8人が「こぶしファクトリー」という事になる。狭き門ですよ、厳しい話です。…なんですが。
そのわりに選抜感なさ過ぎじゃない?
これに尽きるわけだ。この疑問がどこまでも付きまとうのです。
別に選ばれた8人がダメだとか、パフォーマンススキルが著しく劣っていたり、ビジュアル的に思いっきり足を引っ張ってるメンバーがいるというわけでもありません。実際ここ2年ほどで「ハロプロ研修生」全体の実力レベルは大幅に底上げされたと思われます。すぐにでも「ハロプロ正規メンバー」として最前線で戦えるだけの実力を持った「ハロプロ研修生」は少なからずいる。それ故に「選抜」されるにはそれなりの説得力もまた必要となってくるのです。「ビジュアルに華がある」「歌唱スキルが高い」「ダンスがすこぶる上手い」「ヲタ人気が物凄い」「特殊能力を持っている」等々、何かしら納得のいく理由が欲しいわけです。
その辺を踏まえてみると、より一層「こぶしファクトリー」の選抜感の無さが浮き彫りになってくる。なるほど、この子はこういう部分が評価されて選ばれたんだなあと納得できるような、選抜されてしかるべきと思われるメンバーは確かにいる。その反面、なんでこの子が選ばれたんだろう?別に〇〇でも変わらないんじゃないか。むしろ〇〇のほうが良かったんじゃないの。そんな問いかけ対して反論に窮するくらい「選抜」への疑問符を抱えたメンバーがいることもまた事実なのです。
口の悪いネット民からは「デビューへのボーダーラインが著しく下がった」などと辛辣に評された今回の「こぶしファクトリー」選抜問題ですが、逆を返せば現在「ハロプロ研修生」に在籍しているメンバーの大多数が「デビュー」への可能性を残しているとも言えるわけです。ポジティブに考えるとね。
しかし問題は「この次」が一体いつになるのか、その一点のみです。
Berryz工房の意志を受け継ぐ
今回「こぶしファクトリー」に選ばれた8人と「こぶし」の選から漏れた研修生の間で、それほど明確な差は感じられなかったのとは裏腹に、今後の処遇についてはっきりと明暗が分かれた恰好です。明暗が分かれるという事は「新ユニット」を立ち上げた際に必ず付きまとうもので、これは仕方のない事なんですが、それによってメンバーのその後が大きく左右されるという意味において大変重要なものです。少し過去の事例を振り返ってみましょう。
「こぶしファクトリー」以前に立ち上げられた「新ユニット」を遡ってみると、2013年2月、今から約2年前に「こぶし」同様ハロプロ研修生内ユニットとして結成された「Juice=Juice」ということになります。
ハロプロ研修生内新ユニット、メンバーへ発表の瞬間。 - YouTube
たしか「ハロコン」大阪公演の終演後*2にサプライズ的に発表された、その瞬間をとらえた大変生々しい映像です。今はもう辞めちゃった子なんかもチラホラいたり、突然「宮崎さん」がフレームインしてきたり。この時悔し涙を流したメンバーの中には、今回「こぶしファクトリー」に選ばれた浜浦彩乃、田口夏美、小川麗奈の姿もあります。あと金澤朋子がまるで別人のようですね。植村うえむーだけ椅子に座っていてやたらと目立ってます。そしてバットマ
人気はともかくとして総じてスキル高めのメンバーが選ばれたこと、選から漏れたメンバーの年齢層が今と比べて全体的に低かったことなんかもあって、映像から漂う悲壮感こそ半端無いものの、それほど波風は立たなかった印象です。現在も「ハロプロ研修生」に在籍しているメンバーは山岸理子、岸本ゆめの、そしてこの場所にはいなかった*3一岡伶奈、加賀楓を含めわずか4人となりました。
「Juice=Juice」以前に結成された「新ユニット」となると、ハロプロ研修生がまだ「ハロプロエッグ」と呼ばれていた時代、現在「アンジュルム」に改名した「スマイレージ」が結成された2009年4月まで遡ることになります。
「ハロプロエッグ」の長い歴史上「ハロプロ」からのメジャーデビューを果たした唯一のユニットが「スマイレージ」でした。年少メンバーながらエッグ随一の歌唱スキルを誇った小川紗季、エッグ本丸とまで呼ばれた人気メンバー前田憂佳、ビジュアル的に急成長を遂げた和田彩花、天才ブロガーの名をほしいままに数々の舞台経験を積んできた福田花音。つまり選ばれた4人の選抜感は半端ないわけです。今やスッカリあんな感じになってしまいましたがスーパーエリートだったんですよ「まろ」は。ここでは「つんく」直々にレッスンスタジオに乗り込んで新ユニットに選ばれたメンバーの名前を読み上げていきます。一番最後に「福田花音」の名前が呼ばれた時に左側に立っているのが、モーニング娘。現リーダーの若き日の姿です。
「スマイレージ」と「Juice=Juice」が、それなりに精鋭を揃えた、概ね納得のいく人選だった事は分かりました。ここで今一度「こぶしファクトリー」の名前にどういった由来があるのか思い返してみましょう。こぶしのくだりは置いといて「ファクトリー」の部分です。そう「こぶしファクトリー」は「Berryz工房」のスピリットを受け継ぐグループ。英語で「工房」を意味する「ファクトリー」に込められた思いです。
つまり「Berryz工房」自体が「ハロープロジェクトキッズ」から選抜された8人からなるユニットだった事を思い返せばいいわけです。「ハロープロジェクトキッズ」15人の中から「Berryz工房」に選ばれた、あの8人が本当に精鋭メンバーだったといえるのか?
当時の「ハロプロキッズ」でエース的存在だったのは、キッズの年長組を中心に結成されたユニット「ZYX」に一人だけ学年一個下にも関わらず選ばれたばかりか、あの矢口を差し置いてセンターポジションに立っていた「村上愛」だったはずです。歌唱スキルに関しては年少メンバーながら「鈴木愛理」が群を抜いて高かったですし、何よりも「矢島舞美」がいちばん走るの早かったんじゃないでしょうか。にも関わらず、誰ひとり「Berryz工房」には選ばれませんでした。
つまりBerryz工房には「選抜感」なんて無かったんです。しかし結果的に10年以上に渡って「アイドル」としての活動を全うする事が出来ました。結果的にあのメンバーで正解だったんですよ。
こぶしファクトリーもまた「精鋭ばかりを揃えた」ユニットでは決してありません。しかし「Berryz工房」のスピリッツを受け継いだ以上、いい意味で期待を裏切ってほしいと思います。ただし和田桜子は茉麻を反面教師にしなければいけません。
2004年1月に「Berryz工房」が結成された後「非ベリキッズ」などと呼ばれていた残りの「ハロプロキッズ」の面々が新ユニット「℃-ute」を結成するのが2005年6月。おおよそ1年半の歳月を要しました。
色々と言いたいことはありますが、卓偉が簡潔にまとめてくれたので、代わりに貼っときます。
中島卓偉『続けろ』(Takui Nakajima「HOLD ON!」) (MV) - YouTube
浜浦彩乃の「新ユニット」は何故「はまちゃんず」と呼ばれたのか
「ハロプロ研修生新ユニット」の意外な人選
2014年最後の「生タマゴShow!」の話を続けます。名古屋公演も含め、何だかんだで4公演。執拗に参戦を繰り返してきた自分の目から見て、正月のハロコンで発表された「ハロプロ研修生新ユニット」の面々、特に「はまちゃん」以外の選出されたメンバーがですね、思てたんと違い過ぎたというか、あまりにも意外な人選だったという事をまずは正直に告白しておきます。
2014年秋、「モーニング娘。12期メンバー」「アンジュルム新メンバー」「カントリーガールズ」と続いた、「ハロプロ研修生」怒涛の昇格ラッシュの流れを経て、その反動から向こう1,2年は「ハロプロ研修生」からなる「新ユニット」結成は無いだろうなんて意見も数多く聞かれましたが、どちらかと言うと「はまちゃん」あたりを主力にした新ユニットが早晩結成されるんじゃなかろうかと、わりと「そういう目」でもってこの2014年最後の「生タマゴShow!」を見ていたわけですよヤラシイ話が。
「そういう目」とは「どういう目」なのか、つまり「はまちゃん」の相方探しじゃないですが、仮想浜浦ユニットがどういったラインナップになるのか、ズバリ次に昇格していくのは誰なのか。名古屋、大阪公演を通して、その全容がおぼろげながら見えてきたなんて勝手に想像を膨らませていい気になっていたわけだ。しかし、そんなのぼせ上がって禿げ上がった頭に冷水を浴びせるかのごとく、年明け早々ハロコンで発表された「新ユニット」のラインナップを見るにつけ、あらためて「ハロプロ」の奥深さといいますか、一筋縄ではいかない「赤羽橋クオリティ」の底知れ無さを痛感するはめになりました。
「ハロステ」で公開されたように、ハロプロ新リーダー矢島舞美によって当事者たちにその「朗報」がもたらされたのは「 ℃-uteコンサートツアー 2014秋 〜モンスター〜最終公演」のリハーサルが行われていた件のレッスンスタジオ、すなわち、昨年の12月13日以前の話であったことが判明しています。*1つまり、年末に行われた森ノ宮の「生タマゴ」では、浜浦彩乃をはじめ「選ばれた子たち」は無論「そうじゃなかった子たち」にとっても年明け早々に発表されることになる「新ユニット」の件は周知の事実であり、とうの昔に確定済みの案件だったにも関わらず「はまちゃん」の相方探しに血眼になって「ああだこうだ」とはしゃいでいた、あの頃の俺がまるで「とんだピエロ」じゃあるまいかと、早い話こういう事です。
しかし、「はまちゃんず」*2という名の「2014年昇格メンバー最終便」に飛び乗った8名と、そのバスに乗り遅れた、あるいは発車時刻を知らされなかったメンバーたちの間にそれほどまでの差があったのかというと答えは風の中。だからこそ実際に見た「森ノ宮」での光景と感じたことなんかを、今さらながら少しばかり書いておきたいという衝動を止めることが出来ないのです。
森ノ宮の五月雨
2014年最後の「研修生発表会」森ノ宮の夜公演。「モーニング娘。」になった牧野、羽賀。「アンジュルム」になった室田、佐々木、相川。そして、「カントリーガールズ」になった稲場、山木という「昇格組」にとっては最後の「生タマゴShow!」となりました。
特に「モーニング娘。」「アンジュルム」という既存のグループに新メンバーとして加わる事となった5名による「五月雨美女がさ乱れる」は、生タマゴ史に残るベストアクトとして後世に語り継がれるような、惜別のパフォーマンスに相応しく素晴らしいものとなりました。そこには選ばれし「昇格組」としての「残された者たち」に恥ずかしい姿は見せられないという意地とプライドが少なからずあったはずです。もちろん、あかねちんや相川さんにも。
長らく「生タマゴShow!」で主戦を張ってきた室田瑞希が、初心に立ち帰ったかのようにトレードマークだった「お団子ヘア」を久々に解禁し、これぞ「ザ・研修生」とばかりの派手なダンスで大暴れを見せるや、負けじとレースクイーンばりの長い手足を駆使した牧野真莉愛の全力ダンスも印象深く、とにかく「昇格組」の気迫がぶつかり合った鬼気迫るパフォーマンスに圧倒されました。最後にスクリーンで抜かれた佐々木莉佳子の、振り乱した前髪が顔全面を覆うほどの「やりきった感」は、そのままアンジュルムの新曲「大器晩成」でのパフォーマンスにも直結しています。
最後のMCで「まこと」からのたどたどしくも愛のあるはなむけの言葉を受け、それに呼応するように発生した万雷の拍手に感涙する「卒業生」たち。なんというか「いい最終回」みたいな感動のシーンが展開されるのですが、去っていく彼女たちにとっては最後でも、残された者たちの「生タマゴShow!」はこれからも続いていくわけです。ましてや「トレイニー」や「12期落選組」からすればまだまだ始まったばかり。つまり何が言いたいのかというと「私にはスタートだったの、あなたにはゴールでも」という奴らの名曲が胸に去来する、そんな何も言えなくて・・・森ノ宮な一場面でした。
浜浦彩乃の「ヤキモチをください」
さて、いわゆる「はまちゃんず」についてですが、これ別に「たぐっちず」でも「れなこず」でも「ザ・ジップロッカーズ」でも何でもいいんですが、やはり「はまちゃんず」の座りの良さには敵わない。
当然「はまちゃんず」というくらいですから浜浦彩乃を中心とした、あくまでも浜浦ありきの「ユニット」というのが大方の見解であり、浜浦なくしては存続しえないという危うさを孕んだメンバー構成への不安やら不満やら、それでも時間いっぱいギリギリ間に合った「はまちゃん」には期待したいという淡いヲタ心なんかが複雑に絡み合い、その果てに辿り着いたのが「はまちゃんず」という呼称ではないのかと、このように思うのです。
そもそも「はまちゃんず」ってぐらいですから「浜浦彩乃」を今さらどうこう言うような位置には置いていない。これは別に浜浦が事務所から明らかに推されているメンバーだからとか、著名な代表取締役をはじめとするヲタ紳士諸氏からの支持も厚く、既にハロプロ研修生のエースとして内外に知られる存在であるという、そういった状況証拠の積み重ね的な発想だけでなく、もっと体感的なものとして実際に肌で感じた事でもあります。
昨年5月に中野サンプラザで行われた公開実力診断テスト。そこで浜浦さんは事もあろうに「審査員特別賞」の歌唱部門に選ばれます。そして、そのご褒美として「6月の生タマゴShow!」大阪夜公演ではBerryz工房の「ヤキモチをください」を披露することになるのですが、このソロアクトがあまりにも強烈だったわけです、アイドル的大盛り上がりという意味において。中野でも「審査員」視点ながら浜浦さんの歌う「ヤキモチをください」は見て来たはずなんですが、張り詰めた緊張感の中、粛々と行われたその時とは打って変わり、スタンディングでヲタ丸出しになって「ウリャホイ」するだけで曲ってこうも変わるもんなのかと。強制着席の「公開実力診断テスト」では審査しきれない全てのものがそこにあったんですね。
エースの宿命
「ハロステ」での単独インタビューでも語ったように「モーニング娘。さんみたいにキラキラしたい」という理由から「9期オーディション」に参加したことをきっかけに「ハロプロ研修生」となった「はまちゃん」でしたが「11期オーディション」での挫折を経て、いつしか「モーニング娘。さんより有名なアイドルになる事」と目標を切り替えます。これはまた「ハロプロ研修生のエース」と呼ばれた者たちに共通する宿命として、浜浦自身が「新ユニット」のエースになる事を受け入れた「決意表明」のようにも見えました。
取りあえず彼女の「新ユニット」が見事メジャデビューをした暁には、絶対にCDはタワーレコードで購入するという事をここに誓います。
※3月の「生タマゴShow!」に向け「リハーサル日記」が始まる中、昨年の「生タマゴShow!」の事なんかをダラダラ書いてて、まだまだ続くのですが長いので一旦ここで切ります。
*1:当初、千秋楽は11月11日の日本武道館公演と記していましたが、これ間違いです。10月13日の大阪公演が台風で延期された関係から実際は12月13日の大阪NHKホールが最終日でした。ハロステで公開された舞美サプライズの映像で広瀬が「ハロプロ研修生になったのが1~2週間前」と発言していたのは、生タマゴshow!初日の名古屋公演で新人研修生としてお披露目された11月29日から数えて1~2週間と判断出来るので、おそらく大阪最終公演直前の12月10日前後に発表されたと思われます。まあいずれにせよ森ノ宮の時点ですでに「新ユニット」が発表されていた事に変わりません。風説の流布ダメゼッタイ!!
*2:表記は「浜ちゃんず」でも「はまちゃんズ」でも「HAMACHANS」でも「NO TIMES」でも構わないのですが、何となく「とんねるず」「ずうとるび」「いしのようこ」的な趣きのある「ひらがな表記」に統一しています。