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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

グラストンベリーのMETALな鞘師(歌の中元篇)

金曜夜のお楽しみと洒落こみ、呑気にハロプロYouTube番組tiny tiny「西田汐里」ゲスト回をリアルタイムで堪能していたわけです。ゲストへの当たりが強いことで知られるメインMC加藤紀子さんがいつになく意地悪な感じでも無かったことに妙な胸騒ぎを覚え、不意に「狼」とかいう悪口掲示板をリロードしてみたところ目を疑わんばかりのトピックが飛び込んできました。そらもう思わず「ちょっと里保ちゃん、何やってんすか、あなたー!?」と、往年のデリ君*1口調で驚いてしまいましたもの。

何でも、スーメタル、モアメタル以外にもう一人のメタルが登場してきて、それがどうやら「鞘師」っぽいって話で大騒ぎになっている。これもう完全に乗り遅れました。バカ正直にtiny tinyなんかをフルタイムで見ている場合ではありませんでした。少なくとも「世界の料理コーナー」は飛ばしておくべきだった。大慌てでネットを駆使して事の真偽を確かめようとするも、どうにも情報が錯綜していて何だかわからない事になっている。

199 名前:Anonymous (アウアウカー Sa05-NldL)[sage] 投稿日:2019/06/28(金) 20:31:41.00 ID:5sYUCJrAa
鞘師は腕に大きなホクロあるから会場(いるやつは見てみ
右手の真ん中より手首より

おれは双眼鏡で確認したけど
ばっちり鞘師だった

戦争で生き別れた我が子をホクロや火傷痕で確認するみたいな、まるでドラマや映画のような話になってますけど、本当ならかなり確定的な情報です。 逆に釣りでやってんなら飛んでもない知能犯ですよこれは。しかし頑なに「ガセ」を強調する勢力なんかもあったりして全く予断を許さない状況です。謎の3人目はカメラにあまり抜かれなかったとかで現地組すら意見の分かれるなか、日付が変わる頃ついに謎のサポートダンサーの正体は判明します。

www.nikkansports.com


事情のよく分からない人からすれば「ふーん」てな案件でしょうが、そのバックグラウンドを知る者たちにとっては驚愕のの超展開みたいな話ですよこれ。報じている記者さんの文章からも興奮を隠せない様子がヒシヒシと伝わってきます。

実は、センターでボーカルのSU-METAL(中元すず香=21)と鞘師は同じアクターズスクール広島の出身。同世代であり、「ダンスの鞘師、歌の中元」とも称されたライバルだった。

「ダンスの鞘師、歌の中元」とも称されたってマジかよ!!何だか原作・梶原一騎みたいな逸話じゃないですか!!というか昔「狼」の鞘師がらみのネタスレで、この手の創作ファンタジーのたぐいが山ほど作られていたような…。俺も結構書き込みましたよ、この手の「鞘師伝説」的なやつ。

これ実際、当時を知る古参ASHヲタからすりゃ「言われてねーよそんなの」てな話でしょうし、当事者2人とも親しい関係にあるという「段原姉」からすれば「初めて聞きました ♪」となってしまうのも仕方ありません。しかしフレーズとして妙に収まりが良く、思わず使ってみたくなる秀逸さは如何ともし難い。実際2人より少し下の「マリアル」*2世代からは「里保ちゃんとすずちゃんはずっとトップにいて、ふたりでASHを引っ張ってる感じでした。(石野理子)」「キッズクラスに4歳と6歳で入ってるんですけど、そのときからダンスがめっちゃうまくて、里保ちゃんはASHの中のトップって感じでした。(杉本愛莉鈴)」なんて証言もあり、まんざら嘘とも言いきれない部分もある。

かつて地元広島の同じスクールで同時代を過ごしながら、片やアミューズさくら学院」「BABYMETAL」片やアップフロントモーニング娘。と、それぞれの道が別れてこのかた雑誌等での対談はおろか、テレビやラジオで共演する事も、同じステージに立つ事も、公の場でお互いについて触れる機会すら無かったわけですよ。そりゃアナタ、遠いスクール時代に思いを馳せ、この悶々とした純情な感情を「創作ファンタジー」にぶつける事くらいしか出来やしないじゃないですか。

だからと言って、いくら妄想たくましく夢見がちなヲタですら「あの鞘師がベビメタの衣装を身にまとい、神バンドの演奏をバックに中元すーちゃんの横で踊りまくる」なんてファンタジーは余りにもファンタジーが過ぎるというものです。夢か現か、そんな嘘みたいな事がその日の「横浜アリーナ」で現実のものとなりました。事実は小説より奇なりなのです。籠池さんあなたの言う通りでした。

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「歌の中元」

ネット周辺の書き込みを見ると「歌の中元」に対する疑問点として、そもそも当時の「ASH」内で中元すず香が歌に関してそこまで突出した存在だったのか?なんて意見があります。具体的な名前を上げて当時のスクール生では誰が上手かっただのと「古参ASHヲタ」からすれば言いたい部分もあるのでしょう。今も昔も「ASH」といえば歌自慢の宝庫ともいえるスクールで、その手の歌うまカラオケ番組の常連なんかも多数輩出しており、なかには「我軍の歌姫」*3みたいなやつまでいて枚挙にいとまがない。単純にテクニカルな意味での「歌唱力」を比べてしまえば、そりゃまあ、そうなのかも知れません。

メイトのみなさん。最近では「THE ONE」なんて呼ぶんですかね。世のSU-METAL信奉者からすれば聞き捨てならない話ですよ。現在の世界的成功があるのもメインボーカルたる「すぅちゃん」の高い歌唱能力があればこそ、世界の中元なめんなよと。まあ大筋では間違っちゃいない。しかし幾ら言葉を並び立て、時に専門用語を織り込みつつ彼女のボーカルをテクニカルな側面から賛美しようとも、それだけで説明できない部分がある。「天才的歌唱力」みたいな安易な言葉で単純化するのも何か違う。

よく言われる「少年少女合唱団」のような澄んだ透明感のある歌声。伸びやかでツーンと耳に突き刺さる、時にキンキンと青臭い少女みのある歌声。その特性を幾ら言葉にして並べ立てたところで、それって別に「中元すず香」だけに当て嵌まるわけでも無いし、同様の特性を持つ歌声の持ち主は他にいくらでもいるはずです。結局のところ中元すず香のあの声は「あの声」としか言いようが無い。そして「あの声」だからこそな部分が確実にある。言語や人種の壁を超えて人を魅了する何かがあるはずです。

よく「鳥」とか「虫」なんかが嫌がるような、人間の耳では聞こえないレベルの周波数みたいなやつあるじゃないですか。これって、つまり中元さんの「あの声」にも世界中の「メタル親父」を図らずも呼び寄せてしまう音波的な何かが、人間には聞こえないレベルで何してる可能性だってあるわけですよ。これはもう「アース製薬」さんあたりが介入せざるを得ない案件になってくる。とにかく「BABYMETAL」に関しては、本格的に海外進出する前からすでにゴリゴリの海外メタラー風情がライブ会場を跋扈していたり、楽曲PVのコメント欄が他国の言語で溢れかえっていたりと、かなりの初期段階からワールドワイドな展開を予兆させるものがありました。

BABYMETALの楽曲は基本日本語で歌われており、海外を意識して「全編英語」で作られているわけでも、海外の音楽トレンドを過剰に意識したものでもありません。メタルサウンドを下敷きにしながらも曲調は多岐にわたっており、むしろジャンルに捕らわれないオンリーワンな世界観を構築しています。そして、そこに通底するのは「あの歌声」だけなのです。つまり「歌の中元」の「この歌声」です。


nakamoto suzuka sakurairo no avenue

ご存知さくら学院のナンバー「桜色のアベニュー」です。しかしどうでしょう。見紛う事なき「あの歌声」による良質な楽曲ながら、このフォーマットをそのままの形でお送りしたところでグラストンベリーのステージに立つどころか国内においても一部の好事家から激賞されるのが関の山。海外メタラーからすれば「日本の女学生がキュートな美声を響かせている」としか映らないんじゃないでしょうか。というか、その存在に気づきすらしないでしょう。

つまり何が言いたいのかというと、神田川俊郎先生の「ちょっと工夫でこの美味さ」じゃないですが、コバメタル氏によるアイデア『少女の美声とメタルサウンドの融合」みたいなものを軸として組み上げられた「1ボーカル2スクリーム」なフォーメーション。両サイドに菊地最愛水野由結を配した、あのBABYMETALの様式があればこそ「歌の中元」の歌声もまた七つの海を越えて世界に響かせる事が出来たのだという話がしたかったんですね。

水野由結の離脱

 昨年の「YUIMETAL脱退」の報ではじめて水野由結が体調不良を理由に長期間ベビメタの活動から離れていた事を知ったレベルの「IDZ」から「メギツネ」あたりの時期に概要を少しなめた程度のハロヲタ風情ながら、由結ちゃん不在で行われた、いわゆる「ダークサイド期」の陣容による「BABYMETALの今」を動画サイトなどで確認して正直驚いたわけですよ。何が驚いたって菊地最愛が随分と大人っぽくなっている。いつまでも中学2年生くらいのイメージでしたが、よくよく考えてみりゃ「ゆいもあ世代」ハロプロ換算すると「まぁーどぅー世代」なわけでして森戸知沙希川村文乃とも同世代という事になるというね。光陰矢の如ごとしですよまったく。

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身体的な成長は別にして、ダークサイド感あふれるメイクや衣装。そしてプロダンサーを配した新たな陣容。やはり、どうしても「ベビメタ」の様式として長く刷り込まれたトライアングルなバランス感が失われた事に違和感を感じざるを得ませんでした。

これを「進化」や「飛躍」と捉える事も出来ましょうが、やはり「YUIMETAL」不在による「混沌」や「迷走」を具現化するかのごとく、片翼を失った飛行機がグルグルと旋回しながら落ちてゆくがごとき暗澹たる感情に苛まれたとしても仕方ありません。そういった意味でもメイトの皆さんにとって、この日の「横浜アリーナ」から始まった「メタルレジスタンス第8章」には期するものがあったでしょうし、世界が注目していたと言っても過言ではないでしょう。

そんな事とはつゆ知らずビヨーンズの「西田汐里」なんぞにうつつを抜かしていた私は完全にメイト失格です。でもやはり鞘師里保の名前を聞くにつけ居ても立ってもいられなかったのです。ファンカム動画から切り取られたと思しき不鮮明な検証画像に目をこらし、ユイメタポジに配された謎のサポートダンサーの姿を目を皿のようにして追いかけちまうわけですよ。そのいかにも「わんこそば」をたくさん食いそうなガタイの良さ。シジミのような鋭い眼差し。間違いようもありません。ダンスの里保ちゃんが帰ってきたのです!!!

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※このあと鞘師に関してもアレコレ書いて、最終的に上手くまとめてこのエントリーを軟着陸させようかと思っておりました。しかしながら猛暑の影響もあり「鞘師」部分が遅々として進まないうえに、とにかく書きしろが湯水の如く溢れかえってきて長文が過ぎると、いくぶん気候が涼しくなってきてようやく気づいた次第です。なので一つのエントリーにまとめる事はひとまず断念いたしまして、この後は(ダンスの鞘師篇)に続くという事にして一旦仮眠を取らせていただきます。

それでは、「See You」