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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

ドラマ「武道館」が僕たちに教えてくれた事 (上)

少し前の話になりますが、アイドル周辺にまつわるデリケートかつタイムリーな問題に鋭く切り込んだ話題作、テレビドラマ「武道館」が最終話を迎えました。

あの宮崎さん率いる「Juice=Juice」の面々が架空のアイドルグループ「NEXT YOU」に扮し地上波の連続ドラマで大活躍という「中さきちゃんがテレビにうつってるんです!」クラスのサプライズ案件に「あーだこーだ」毎週文句を言いながらもBSスカパー版含め全8話ガッチリ余すところ無く堪能してしまいました。世間的には「もうひとつのJリーグ」以上「俺達のオーレ」未満といった評価に落ち着きつつありますが、主人公「愛子」役を「ラブシーン上等」の体当たりで演じきった宮本佳林など少なからず見所もありました。そして物語のテーマがテーマだけに思うところもありました。その辺りをチョットだけ書いてみようかしらと思った次第です。

「武道館」の終わり方

あらためて最終話をザッと振り返って見ましょう。「恋人」と「アイドル」どちらを取るか、その選択を迫られていた愛子。武道館前で待つ「あおい」以外のNEXTYOUメンバーのもとにスローモーション映像でやってくる愛子。約束通り武道館前に来てくれた愛子を見て安堵の表情を浮かべる「あおい」以外のNEXTYOUメンバーたち。愛子が「あおい」以外のNEXTYOUメンバーに何かを語りかけようとしたその瞬間「12年後」というテロップとともに場面は一転し、見覚えのある例の高級マンションの一室。

すっかりお爺ちゃん化したカリスマブロガー「ハカセ」こと六角精児が見つめる高性能デスクトップPCのディスプレイには「NEXTYOU13期候補生大募集!!」の文字とともに「おへその国」から飛び出してきたような、どこか見覚えのある5人の少女たち。どうやらセンター「おのみず」*1率いる「12年後」のNEXTYOUメンバーのようです。そして世界規模での活躍を暗示させる「ワールドツアー’28」の文字が。これまた随分と景気の良い話ですね。

【13期候補生募集について】と題された例の敏腕カリスマプロデューサー氏のコメントを読みながら、高性能デスクトップPCの前で「そうだよなあ」なんて感慨深けに頷く六角さん。そこにはこんな文章が書かれている。

昔は、恋愛くらいでアイドルは卒業を迫られたんですよ(笑)今はそんなこと全然考えられませんね。

「12年後」恐るべしです。何だか2chの「ジジイが昭和を懐かしむスレ」的なやつで「昔は電車の中で普通にタバコが吸えてたんだよwww今じゃそんなん考えられんわなwwwww」くらいの乗りです。それに対して六角さんも「そんなふうに考えていた時期が俺にもありました」然とした追憶のリアクション。おもむろに12年前の「ネクステフォルダ」から動画を引っ張り出してきてダブルクリックをキメる六角さん。そして流れる「愛子の謝罪動画」…。

物語のオチとしては、この動画が世間で大きな反響を呼ぶらしく「愛子の涙」は多くの人たちの心を動かし、来るべき近未来「アイドルの価値観」に大変革をもたらす端緒となった風を匂わせつつ足早にドラマは終わります。六角さんと宮本さんの熱演もあり、力技的に何か「ホロリ」とさせられてしまった部分もありましたが、結局のところ愛子と碧は「恋人」を選んで「武道館」の舞台には立てなかったけれど、その歌とダンスは我々の心に深く刻まれていると。こういう事らしいです。

原作小説だと「アイドルの価値観」が大きく変わった数年後、女優への転身を果たした「碧」と、大地と結婚して普通の専業主婦になっていた「愛子」の二人がNEXTYOUのオリジナルメンバーとして「同窓会」なるイベントに招待されるという流れから、そこで初めて武道館の舞台に立ったとか立たなかったとかみたいな後日談があるらしいのですが、ドラマだとフォロー的な部分を織り込むわけでもなくバッサリとここで終わっちゃう。BSスカパー版だと矢口真里さんと辻希美さんによるアチラコチラで散々こすり倒してきたような現役当時の裏話的エピソードトークでお茶を濁すというバッドなエンディングが待っています。

あえて「アイドルスキャンダル界の重鎮」的位置づけにある先輩を執拗にキャスティングしてくるあたりの演出意図というか「フジテレビ」なりの思惑がイケてるのかズレてるのかは一先ず置いとくとして、この作品を通して作者が伝えたかった事ってのは、つまり「アイドルだって恋愛したっていいじゃない、だって人間だもの」と簡単に言ってしまえばこういう事なんでしょう。まったくもって正論です、ぐうの音も出ません。本来あるべき人間として当たり前の欲求に抗って「ファン」や「事務所」からいびつな要望を突き付けられる不条理な現代のアイドル事情に一石を投じるべく何だかわからない使命感に駆られて描かれた志高き作品と見ましたよ俺は。悲劇のヒロインである本編の主人公「愛子」は謝罪動画という十字架にかけられ「アイドル」の世界を追われてしまう。人間として当たり前の欲望に素直すぎたがゆえに起こった悲しき結末です。そんな愛子を見て可哀想と感じるのも無理はないでしょう。しかしながら、それでもなお、だからこそ、あえてこう言いたい。

「一番かわいそうなのは今も愛子のことを思いながらスヤスヤ寝てる愛子ヲタ」であると。

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つんくボーイの朝井評

「武道館」原作者の朝井リョウ氏はかねてから大の「つんく信者」を標榜しており、それに呼応する形で原作本の帯には「つんく本人」からのこのような「朝井評」が記されています。

アイドルって作るものでなく、楽しむものである方が良いに決まってる。
なのに、著者はこうやってアイドルを生み出す側にチャレンジした。
それも文学の世界で……。なんたる野望。なんたるマニアック。なんたる妄想力

 

つんく♂/音楽家、エンターテインメントプロデューサー)

この言葉をどう捉えるか。人並み外れた「妄想力」でもって本作を書き上げた朝井氏の作家としての力量、その野心的な創作意欲は認めつつも、そもそも「アイドル」を文学の題材にするのは「マニアック」であり「チャレンジャー」と言える行為なんじゃないの?という懐疑的なニュアンスが少なからず含まれているように思うわけです。もちろん「つんく本人」の真意はわかりませんよ。勝手にそう解釈しているだけです。というか俺はそう思うわけです。何故なのか。

そりゃ人間が考えた「物語」なんかが現実を超えることなど絶対にあり得ないのが「アイドル」というジャンルだど確信してるからです。12年とは言わないまでも3年も見てりゃ何となく分かることです。余程トップエールのアプガのインタビュー読んでる方が面白いわけで。始めから「アイドルがテーマの小説なんて無粋の極みじゃん。」くらいに思っていたフシすらある。

朝井氏が語るアイドル観と浅倉樹々のヘアアレンジ

それでもなお、あえてそこに挑んだのが気鋭の若手小説家である朝井氏なわけです。「武道館」に関する朝井氏のインタビュー(web上で読めるやつ)なんかを読んでいくと革新的な「アイドル観」を持つ色々と面白い人物であることも分かってきました。

何が面白いって清々しいまでに彼の意見には同感出来なかった。批判というわけでなく自分と全く違う「アイドル観」にふれて新鮮な驚きがあったのです。まず「アイドル観」はともかく「アイドルファン観」と言うか彼の考える「ヲタク像」みたいなものに酷く現実とのズレを感じてしまいました。というかネットで好き放題書き散らかしている「名無し募集中。。。」みたいな物の中に「アイドルファン」の幻影を見てしまっているように感じたのです。「なんで彼氏がいたら怒るんだろう?」「何でブランドのカバンを使ってるだけで怒るんだろう」ヲタクはアイドルが人間っぽい事をしたら凄く怒ると主張する彼は、自身が影響を受けたというテレビ番組「ASAYAN」を引き合いに出してこう訴えるわけです。

中澤裕子さんがオーディションを受けていたとき、「昼間はOLの仕事、そして退勤後は夜の仕事もしていた」とナレーションが入ったりして。きっとこれ、今だったらアイドルファンから叩かれますよね。「夜の仕事をしていた人がアイドルなんて!」って。

中澤裕子が参加したのはそもそも「アイドル」のオーディションではなかったわけですが。仮にそうだったとして当時であろうが今であろうが叩く人は叩くし、アイドルファンであろうがなかろうが叩く人は叩くわけで、なんとなく「アイドルファン」を「得体のしれないモンスター」みたく特別な存在に祭り上げちゃっているふしがある。というか「アイドルファン」にも温厚な奴もいりゃあ血気盛んな奴もいるだろうに人間をジャンルに分けてかっちり分類しようとし過ぎだし。あとブランドのカバンで怒ってたやつ出てこいよ!

こちらのインタビューでは、そんな朝井氏の「アイドル観」みたいなものが割りとストレートに語られており非常に興味深いものになっています。

朝井:ぼく個人としては、アイドルが恋愛していようがいまいがビックリするくらいどうでもいいんですよね。それはどういうスタンスでアイドルを見ているかにもよると思うんですけど、ぼくが典型的なスキル厨(註:歌やダンスのスキルやクオリティーを重視するファンのこと)だからなのかも(笑い)。おださく(註:モーニング娘。’16の小田さくら。歌唱力や表現力に定評がある)が大好きで。多分、おださくが好きな人は、「恋愛禁止」ということにあんまり興味がないような気がしていて。

 それは結局アイドルに何を求めるかっていう話なんだと思います。ぼくの場合は、自分の人生の何か足りないところをアイドルに満たしてもらおうとはあまり考えていないので、アイドルが恋愛しているかどうかはあんまり関係ない。ただ素晴らしいパフォーマンスが見られればそれでいい、という考え方なんですよ。

要約すると 大体こんな感じになります。

ちょ、ちょ、ちょっと待って下さいよー。いや~参ったなあ「アイドル好き」とか言っちゃうと、どうしてもこう「アイドルヲタク」ってか「お前も好きだねー」なんて馬鹿にされちゃうんスよねー。違うんスよ、そうじゃなくて、僕なんかの場合「可愛い」とか「幼い」とか「マシュマロボディ」とか唯一神がどうとか、そういうのホント興味ないんスよ。そういう目線では一切見てませんもん。

やっぱこう何つっても「つんくさん」の曲がまず素晴らしい。特に彼の書く歌詞が良いんですよ。つんくさんは常々「アイドルに曲を作ってるつもりはない」とおっしゃられてる方ですからね。恋愛の曲もバンバン書いてるわけで。もちろん「地球の平和をを本気で願ってる」的な曲もあったりするんだけど。でも基本「恋愛OK」な考え方だと思うんスよ彼は。口に出して言わないまでも本音の部分じゃきっと。

なんかアイドルは「恋愛禁止じゃなきゃダメだー!」「ブランドのカバンとか持っちゃいけないんだぞー!」みたいな気持ちの悪い発想あるじゃないすか「アイドルオタク」の、あれとか全く理解出来ないっスもん。そもそも恋愛を犠牲にすればアイドルはより輝くとかあり得ないっての。自分の満たされない境遇を棚に上げてアイドルにアレするなコレするなって「アレコレしたい!」に決まっとるだろうが普通の人間なんだから「アイドル」なんてしょせん。「自分の人生の何か足りないところをアイドルに満たしてもらおう」なんて、なに図々しいこと考えてんだよアイドルヲタクの分際でとね。

まあ僕なんかは典型的なパフォーマンス重視のスキル厨ですから。アイドルが恋愛しようがアレコレしようが一向に構わない。「アイドルの恋愛」とかビックリするくらいどうでもいい事にビックリしましたもん先週。だから、あんま関係無いッスよ僕にとって。ただパフォーマンスが素晴らしけりゃそれで良いんですから。スタンスが全く違いますからその辺のヲタクたちとは。

えっ!?「ハロステ!」ですか。もちろん見ますよ「ハロプロファン」ですから。やっぱパフォーマンス重視のスキル厨としてはモーニング娘。’16の新曲が気になりました。新曲の「The Vision」の振付はバレエの要素が入ってますから、どうしてもバレエ経験者を自然と目で追っちゃいますよね。なんつーか、この辺スキル厨の悲しい性というか。あとジュースさんの「愛のダイビング」のパフォーマンスが素晴らしい。歌唱スキルも高くてユニゾンの綺麗さもハロプロ随一のクオリティーだし。それに何と言っても「ゆかにゃ」が可愛いらしい。いや宮崎さんのアザ可愛いらしさを演出するスキルがね。コレ最高なんすよ。

ヘアアレンジのコーナーですか?まあザッと流す程度には一応チェックしますよ。でも見たり見なかったりかな~。今回つばきの子ですか、これは見ましたよね。

何か「不器用な子にも朝時間のない子にも出来るヘアアレンジ」らしいんですけど。これ浅倉さんが前回出た時に「サッと出来るお団子ヘア」とか言って全然サッと出来てなかったんですよ。おまけに仕上がりも後れ毛がモサモサになっちゃってて。何か不器用そうな子だなー、可愛らしいなーと、あのスキル的な文脈でね。でっ、それを踏まえて今回が「不器用な子にも出来るヘアアレンジ」だったもんだから、ハッ!そう来たかと。思っちゃいますよねー。というか実際「そう来たか!」って声に出してハッキリ言いましたもん。

そんで「ききちゃん」がこう一生懸命説明しながら色々やるんだけど、まだ素人っぽさというか小慣れてない感じがあって、カメラを見つめる視線に恥じらいが残ってたりするんスよ。そこに感動しちゃうんだよなー。あと櫛のことを「コーム」とか呼んじゃって。何ですか「コーム」って。今時の若い子は櫛のことを「コーム」って言うんですかね。ああいうの勉強になるわー。

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あっもういいですか。長いですか。「結構がっちり見てるじゃん」って……。やだな~僕はあくまで「アイドルヲタク」なんざこんな感じでニヤニヤしながら見てるんだろうとね。こう鳥瞰的視点でもってどうしても見てしまうわけですよスタンス的に。どうせお前らこんなんだろうと。まず「アイドル」が可愛いとかデレデレニヤニヤした方向性でやってませんもん。僕は典型的スキル厨だぞ!おりゃ!

だいたい可愛いから応援するとか、そんなのはパフォーマンス重視のスキル厨からすれば悪魔の思想ですよ。可愛いとか可愛くないとかで「アイドル」を推し量るなんて「アイドルヲタク」の行動心理にほかなりません。

その点、僕レベルになるとそういうの完全に度外視して「小田さくら推し」でやらせてもらってますから。おださく好きって「恋愛禁止」とかに興味ないでしょ。あいつら全員「典型的パフォーマンス重視のスキル厨」っしょどうせ。

じゃ今から向かいますんで。あの「インゲン」と「豚肉」は買っとくんで、先輩は「辛子醤油」だけ用意しといてくださいね。はい、よろしくお願いしまーす。はーい、それじゃ、はーい、ちーす。ちーーーす。

 まず、朝井氏に謝っておきます。要約したつもりがシドニーシェルダンばりの超訳になってしまいました。

※ひさしぶりに書いたら勘がもどらずに「ジャーマンプログレ」ばりの長尺になってしまいました。後で読み返す時に面倒なので大変遺憾ながら一旦ここで切ります。こんな所で切るなよって話ですが。

すぐに書きますんで、そこに座って待ってて下さい。

*1:ハロプロ研修生24期の小野瑞歩ちゃん!