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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

松永里愛の「ガタメキラ」

先日行われた「春の公開実力診断テスト」は早くから最有力候補と謳われ、さんざんハードルを上げられながらも、そのハードルを大胆にもベリーロールで飛び越えた「松永里愛」がベストパフォーマンス賞に輝きました。松永のBP賞獲得は「下馬評通り」の順当な結果と映るかも知れませんが、そこに至る道のりは決して平坦なものでも無かったように思うわけです

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もちろん松永が今年の「BP賞」を占う上で有力候補の一角であり、現行の研修生で上位の実力の持ち主である事に疑いの余地はありません。だからと言って「順当勝ち」出来るほど相手に恵まれた楽な戦いであったかといえば、なかなかどうして甘くない。

松永が叩き出したチャンピオンシップポイント「419票」に肉薄したハロプロ研修生北海道「工藤由愛」を筆頭に三賞*1を独占した「北の三連星」をはじめ、賞に絡まずとも「BP賞」射程圏内のポテンシャルを垣間見せた「ハロプロ研修生」は少なく見積もっても10人前後はいたはずです。では何故にゆえに、松永が419票という完勝とも言える結果を残せたのか。アラケンによる受賞者インタビューで語られた内容「半年前からガタメキラを歌うと決めていた」という点にそのヒントが隠されているかも知れません。


Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~ テスト順決定 大抽選会!

実力診断テストの醍醐味の一つに研修生自身が披露する楽曲を自由に選択できるというレギュレーションがあります。星の数ほどあるハロプロ楽曲」の中から一つに絞らなければならないわけですから、そりゃもう大変な話です。現場勤続20年クラスの古老ヲタでさえ死角みたいなグループや楽曲はあるだろうに、年端もいかない「研修生」なら尚の事。しかしながら松永が選んだのは20年前にリリースされた太陽とシスコムーンのセカンドシングル「ガタメキラ」でした。

当然のことながら、松永が別に「太陽とシスコムーン」に憧れてこの世界に飛び込んできたわけでも無いでしょうし、よもや稲葉貴子が元大阪パフォーマンスドール出身者である事など知る由もありません。なのに何故こんなクラシカルな楽曲を引っ張り出せてこれたのか?その答えが現在のハロプロを支える楽曲の内部循環システムにあるわけです。

すなわち、残された過去の膨大な「楽曲資産」を現役メンバーがカバー曲としてセットリストに組み込む事によってハロプロ内部で循環かつ有効利用していくという独自の「資源リサイクル」システムなのです。近年のリリースペースの長期化による持ち歌不足の解消にも有効であり、かつ「過去の名曲を未来に歌い継ぐ」といったハロプロイズムの継承的意味合いを見出すことも出来ましょう。

現役メンバーが歌うカバーバージョンによって思いがけず良曲に巡り合うなんてケースは某芸能キャップによる「記憶の迷路」のエピソードを持ち出すまでもなく新規ヲタにとってはありがちな話であり、中学生である松永がASAYANを経ずとも「ガタメキラ」に巡り合ったとして何ら不思議じゃありません。

回りくどくなりましたが、恐らく松永が「ガタメキラ」との初遭遇を果たしたのが2018年冬ハロー。野中、佐々木、段原、秋山によって歌われた「ガタメキラ」の最新カバーバージョンであったと推察されるわけですね。カバーバージョンでは省略されることも多いイントロ部分最大の見せ場、ルルによるパワフルな「ロングトーン」「フェイク」を圧巻の歌唱で瑠々がカバーするという粋な計らい。松永が次世代のハロプロの歌姫」を目指す上で避けては通れない、大きく立ちはだかる巨大な壁として段原瑠々の存在がそこにあります。

あえて段原という歌唱指導「上野まり子」先生から直々に「我が軍の歌姫」と称された巨大な壁に挑む事によって、もしそれを超えずとも並ぶくらいの域に達すれば、おのずと結果も付いてくるはずだと、そんな風に松永本人が思ったかどうかは妄想の域を出ないにせよ。かつて「実力診断テスト」で歴代最多票数「548票」という金字塔を打ち立てた段原にチャレンジングするという姿勢自体は前年度の「島倉りか」「Fiesta! Fiesta!」を歌って結果を残したという好例にも繋がってくるわけです。いずれにせよ「ガタメキラ」が強烈に「BP賞」を意識した「選曲」であった事は想像に難くありませんでした。 


ASAYAN ガタメキラ レコーディング

「研修生随一の歌唱力の持ち主」「大阪研修生レッスン唯一の生き残り」「娘。15期最有力候補」そのポテンシャルへの熱き期待ゆえか、一部ヲタによる過剰ともいえる煽動は、松永自身が有利とされる歌披露最終番手「17番」を引き当てたことにより、さらに拍車がかかったように思われました。

松永は2017年3月加入組の「27期」。加入当初から歌の上手さには定評があり、実力診断テストでは1年目にモーニング娘。「SONGS」、2年目には「あぁ!」のFIRST KISSという、いかにも歌の上手い子が選びそうな曲を選択。それなりの評価を受けながらも埋もれるような形で「三賞」や「BP賞争い」とは無縁の結果に終わりました。特筆すべきは2年目の2018年、歌披露後に飛び出した「上野まり子」先生からの審査員評。

歌は元々とっても安定感があって、聴いた感じ上手に聞こえるんですよ、それは合格なんです。そろそろ入ってきて一年経ちましたよね?えーと、パフォーマンス全体にこうエネルギー感が付いてきたら、もっと良くなると思うので、そこを課題にしてこれから頑張ってほしいなと思います。期待してます!

 まき先生ならいざ知らず、あの「まり子先生」から飛び出した苦言ともとれる辛口コメント。「聴いた感じ上手に聞こえる」「そろそろ入ってきて一年経ちましたよね?」といった棘のある言い回し。今現在の松永が「パフォーマンス全体からエネルギーが感じられない」事を逆説的にやんわりと指摘しています。公衆の面前でここまで言い放つわけですから「まり子」にも期するものがあったのでしょう。それは歌の上手い子が陥りがちな「小さくまとまった量産型歌上手シンガー」になりかねない危機感や、ある種の予兆を松永の歌から感じ取ったからかも知れません。我々ヲタからすれば松永の才能を高く評価すればこそ、あえて「発破をかけた」と、まり子の親心が垣間見えたりするわけですが、松永自身はどうにも悔しくてたまらかった様子です。

こんばんはーーーーーーーー!!!
松永里愛です!!

 

今日はハロプロ研修生発表会2018〜春の公開実力診断テスト〜でした(*´ω`*)

 

心臓が出るんじゃないかってくらい緊張しました。。。。。。。。

 

でも自分が今まで練習してきた成果は全て出せたので悔いはないです( ఠ͜ఠ )

 

りかちゃんベストパフォーマンス賞おめでとう( ˊᵕˋ )
本当に悔しすぎて、、、悔しいです。

 

パフォーマンスが終わったあとに上野先生と清水佐紀さんにコメントを頂いたんですけど上野先生に頂いたアドバイスがすっごいすごい悔しくて(*_*)

 

でも、期待してるよっていわれてすごい嬉しかったんですけどやっぱり悔しかったです。
なんか、悔しいだらけだなぁ、、

 

今日は悔し涙しか流してないけど嬉し涙に変えれるように頑張ります!!

この日、松永が歌ったFIRST KISS」の出来がそれほど悪かったかというと実はそうでもなかった。そう簡単でもないであろう楽曲を無難にサラリと歌いこなしており、むしろ歌の上手さは十分に伝わるものでした。しかし、まり子が言うような「エネルギー感に満ち溢れたパフォーマンス」だったかといえば「いやまあ、うーん」となってしまう。票が伸びるようなインパクトを残せたわけでもない。

りかちゃんベストパフォーマンス賞おめでとう( ˊᵕˋ )
本当に悔しすぎて、、、悔しいです。

まさに情熱を解き放つ「エネルギー感に満ち溢れたパフォーマンス」で「実力診断テスト」を制したのは「Fiesta! Fiesta!」を歌った同期の「島倉りか」ちゃん。BP賞の勢いそのままに「新ユニット」追加メンバーとして昇格を果たし「BYEOOOOONDS」としてメジャーデビューも決定しました。果たして松永が「Fiesta! Fiesta!」を歌い、逆に島倉が「FIRST KISS」を歌っていたなら結果はどう変わっていたのか。このあたりに楽曲選びの妙があるわけです。

あくまでも推測ですが、この年の松永は「BP賞」をそれほど意識していなかったように思うわけです。有力候補として「山﨑夢羽」もいるし「堀江」や「西田」だっている。なんだったら「歌唱賞」あたりに食い込めば上出来ぐらいに思っていたとしても不思議じゃない。しかし、いざ蓋を開けてみれば同期の「りかちゃん」がBP賞ですよ。あの「りかちゃん」が!思いがけず同期が一発食らわせた事により、俄然現実味を帯びて「BP賞」を意識せざるを得なくなったのは確かでしょう。そして同期ゆえの悔しさもあったでしょう。

「今日は悔し涙しか流してないけど嬉し涙に変えられるように頑張ります!!」

これつまり「来年は絶対BP賞を取って、まり子をぎゃふんと言わせたる!」という松永からの予告ホームラン宣言であったと解釈出来るわけですね。

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かくして半年前から密かに爪を研きまくってきた勝負曲、太陽とシスコムーン「ガタメキラ」を見事に歌い上げ、公約通り「ベストパフォーマンス賞」の頂きに登り詰めた松永里愛。これには、まり子も「研究の成果が出たと思います。ほんとに難しい曲を選んで、里愛らしく頑張れたと思います。いやー良かったです。」と手放しの大絶賛。実際、冒頭のロングトーンを皮切りに持てる技術を存分に盛り込んだ納得の出来ばえ。余裕さえ感じさせる歌唱時の表情も含め「ガタメキラ」という曲に対するやりこみ度合いが半端なかったし、なによりもエネルギー感に満ち溢れたパフォーマンスだったと思います。あと、まり子の賛辞に「やったー!」と笑顔こそ爆発させたものの、嬉し涙は一滴たりともこぼさないという大胆な公約破り、その強心臓ぶりにも驚嘆させられました。

そして、昨年の苦言とも取れる「まり子先生」の厳しいアドバイス「上野拳闘クラブ」的な意味において、松永里愛への「あしたのために‐その1‐」だったのだと。今さらながら気付かされた次第です。


【ハロ!ステ#288】Hello! Project 研修生発表会2019 ~春の公開実力診断テスト~ダイジェスト、BEYOOOOONDSメジャーデビュー決定! MC:室田瑞希&秋山眞緒

*1:審査員特別賞である3つの賞「歌唱賞」「ダンス賞」「キャラクター賞」。近年は「得票数」上位メンバーから選出される傾向にある。