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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

ジュースの「背伸び」で盛り上がる「ここだよ朋子!」な僕たち

そうこうしてるうちに、何やらハロプロ新体制」なるものが始動していました。パーマネントな活動からの撤退を余儀なくされ「解体」の憂き目にあったカントリー・ガールズをはじめ、人事異動を伴うハロプロユニットの再編成が断行されたわけです。ハロヲタの端くれとして言いたい話は山ほどあるのですが、誰がどのユニットに移籍したとか「いっちゃん」がどうなったとか、ここ見りゃ分かる事までいちいち書きませんよ、義務教育やないんやからね。なので、詳細につきましては皆さんご存知の体で早速話を進めたいと思います。

これ、少し乱暴な言いかたになりますがモーニング娘。アンジュルムに関しては別に取り立てて騒ぐようなもんでも無かろうと、このように思うわけですね。つまり「娘。」も「アンジュ」も看板を残して中身が入れ替わっていく方式の「加入と卒業を繰り返す」ことが前提となっているグループなわけですから、兼任という部分は置いといて「新メンバー」を受け入れる事に何ら問題はないわけです。何だったら、むしろ良い補強が出来たんじゃないでしょうか。人数多過ぎではあるにせよ。

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何もハロプロ新体制」などと大上段に構えるまでもなく、ここ数年「ハロプロ」を取り巻く環境は著しく変貌を遂げたと、このように思うわけですね。つんくプロデュース体制」の終焉は言うに及ばず、ハロプロ研修生からの内部昇格を軸とした新ユニットの乱立と既存ユニットへの昇格。その一方で「道重」「ベリキュー」『鞘師里保」ら相次ぐ主要メンバーの卒業。脱退。大切なお知らせ。責任あるマネジメントの範囲を超えたアレコレ。とにかく人の出入りが激しかった。

そんな、拡大路線をひた走り目まぐるしく移り変わる「ハロプロ最前線」の喧騒を離れ、忘れ去られた絶海の孤島のごとく独自の進化を遂げてきたのが、ゆかにゃ率いる地上の楽園、まぶしい光にあふれた美しきワンダフルワールドこと「Juice=Juice」というグループだったわけです。それがどうでしょう「西口観光開発グループ」による大型レジャーランド建設計画によって、手つかずの自然を残したその美しい風景は、今や大きく姿を変えようとしているのです。

あの、詩的表現がうざすぎて少々面倒くさい感じになりましたが、今回のハロプロ新体制」によって一番の変化を迫られたのは、これ紛れもなく「Juice=Juice」だったと思うわけですよ。*1このまま5人で一蓮托生かと思われていた「Juice=Juice」が新メンバーを受け入れる事の意味合いってのは、すなわちモーニング娘。アンジュルム同様「Juice=Juice」までもが看板を残して中身が入れ替わっていく方式の「加入と卒業を繰り返す」タイプのグループにシステムチェンジしてしまう事の同義であり、それって「Juice=Juice」「Juice=Juice」足らしめていたアイデンティティを自ら捨て去る愚行じゃん!ほんとに「アップフ◯ント」頭イカれてんじゃねーのほんとに!!という山ちゃんヘイトな感情を抑えることが出来なかったのです。

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中野サンプラザで自身2度目の「ベストパフォーマンス賞」に輝き、西口社長から直々に「ハロプロ正規メンバー」への昇格を告げられた段原瑠々。彼女が叩き出した「548票」という得票数は「実力診断テスト」歴代最多レコードを更新するものであり、かくゆう私も彼女に1票を投じた者の一人でした。しかしながら、すでに段原が「ハロプロ研修生」の枠内に収めておくには不自然なほどの実力を有する即戦力だったとはいえ、よもや数ヶ月後にジュースの「だんばらちゃん」としてデビューする事になろうとは思いもよらなかったわけです。これ別に段原がジュースに合う合わないの話をしているわけでなく、中野での「西口サプライズ」の段階で、自分の中でジュースはそういった事とは無縁のグループという認識だったわけですね。

とにかく識者の間でも歴代最高レベルなどと評された今年の「実力診断テスト」につきましては、当ブログでもチョロチョロと書いてきたわけですが、見ての通り早い段階でパタリと更新が滞ってしまいます。これ何があったのかと言いますと、とあるコンサートを見に行きまして、そのあまりの素晴らしさに居ても立っても居られず、早い話そちらのエントリーを優先してアレコレ書き始めちゃったからなんですね。で、これ何のコンサートを見に行ったのかというと…。

Juice=Juice LIVE AROUND 2017~NEXT ONE SPECIAL~

5/21(日) 大阪:NHK大阪ホール(夜公演)1階-C9列-◯番

今チケットの半券を確認しましたので、これで間違いありません。まさに「ジュース」について書かずにはいられなかったのです。こちらのエントリーを8割がた書き終えて、あとは適当に軟着陸してサッサッと更新しましょうかね、なんて気楽に構えていたところ。

blog.livedoor.jp

こんなのとか。

blog.livedoor.jp

こんなのとか。

colorhello.blog.jp

こんな感じに事態が動き出しちゃったもんですから。これはもう完全にアレだと。

はてさて、途中まで書き終えたこのジュースに関するエントリーをどうすべきか。このまま削除するのも忍びない。そこで若干ややこしい感じになりますが「新体制発表以前に途中まで書いていたエントリー」をそのまま「引用」という形で、無理は承知でこちらに差し込んでしまおうかと、こう思うわけですね。劇中劇みたいな感じで好意的に捉えていただければ幸いです。それでは、また後ほど。 

 

 

 

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■ ジュースの「背伸び」で盛り上がる「ここだよ朋子!」な僕たち 

Hello! Project 研修生発表会2017 ~春の公開実力診断テスト~」の感想などを出場エントリー順に書いていたわけですが、モタモタしてるうちに「ハロプロ最前線」では様々な動きがあったようで「公開実力診断テスト」の話題などスッカリ過去の物となりつつあるとか無いとか。何だよ今更その話かよ、いつまで古いネタしがんでんだよ!と激しく叱責されようとも、もはや弁解の余地なし。呑気に「Juice=Juice」のホールコンなんかにお出かけしている場合ではありませんでした。

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いや、自分に嘘を付くのはやめにしましょう。これホント行ってよかった。実に最高でした。最高過ぎたと言っても差し支えありません。なのでサラリと触れる事にします。

「Juice=Juice LIVE AROUND 2017 ~NEXT ONE SPECIAL~」こちらNHK大阪ホールの夜公演を見てきたのですが、蝶野選手に指摘されるまでもなく、ひと月前に同会場で見たモーニング娘。’17のポップな客層とは打って変わり、何とも哀愁を背負った男たちの晩餐といった只ならぬ雰囲気。つまり古き良き「真野コン」「プラチナ末期」を思わせる、かつてのあの感じを今に伝える空間がそこにありました。

もちろん女性の方もチラホラと居るっちゃ居る。しかし多勢に無勢、圧倒的男まみれの男女比率が前時代のハロプロのそれ。ジュースというグループ自体に、何というか最近流行りの「まーどぅー尊い系」の皆さんってか、言い方悪いですけど「浮ついた層」が全く食いついてない様子が見て取れる。それは必ずしも良いことでは無いのでしょうが、会場に詰めかけたヲタの熱量はもの凄く感じられたわけですね。根っこがしっかりしてる感ありありだった。無論、毛根の話をしてるわけではありません。

何かもう500回くらい洗濯して色味が「あずきバー」みたいになってる「自作佳林ちゃんTシャツ」を華麗に着こなしてるような「歴戦の勇者」は勿論のこと、見た目少年野球の鬼監督みたいな強面のオヤッサンがもりもりと振りコピに興じていたり、その一方で会社帰りにフラリと立ち寄った風の老紳士が「振りコピ」ともまた違う「ダンスの初期衝動」を思わせる無骨なステップで音楽と戯れるといった具合。

何というかこの、ヲタTシャツにキンブレ完備みたいな典型的「おっさんヲタ」ともまた違う、日常に溢れる善良なナイスミドル層の存在が物凄く目を引いたわけですね。ジュースのライブは見たいけど不確定要素の多いオールスタンディング公演は回避しているような層が「ホールコン」ならばと大挙押し寄せてきて、その傾向に一層の拍車をかけたとも考えられます。実際、ワンダフルワールドのララララーララみたく手振りでキンブレを左右に振るような局面で、ピョコンと人差し指を立てて何となくやり過ごしてるような、見えない自由が欲しくて見えないキンブレ振りまくってる光景を見るにつけ。

こういった層を引き寄せる磁場みたいな何かがJuice=Juiceというグループから漏れ出してるとでもいうのでしょうか。そして、それは「まーどぅーは永遠」系の人たちにとって忌避すべき何らかの障壁となっているのでしょうか。何で「ゆかともは宇宙」みたいな感じにはならずに「ここだよ朋子!」*2となってしまうのか。

このあたりの客層問題と「ジュースのDVDマガジン驚くほどつまらない問題」に何らかの因果関係がありそうな事を示唆しつつ、この件はまた別の機会に譲ると致しまして、結局何が言いたいのかっていうと「背伸び」で異常に盛り上がったという話なのです。

www.youtube.com

そう、あの「背伸び」です。

Bメロで「とーもこ!とーもこ!あーりー!ゆーかにゃ!!」の、あの「背伸び」です。

セットリスト的には序盤戦「この世界は捨てたもんじゃない」からMCをはさんで「銀色のテレパシー」とライブで好評の新曲群が続くなか、それまでの華やいだムードを一変させる、哀愁を帯びた美しいイントロの旋律。

「ゴクリ」と息を呑むような一瞬の静寂の後に訪れる、胸の高鳴り、あふれる期待。つまり、ニコニコ動画でいうところの「来るぞ…」「来るぞ…」的なやつがNHK大阪ホールの下手から上手へとスッと駆け抜けていくあの感じ。正直セットリストの予習も無しにフラリとやって来たもんですから*3、ここで「背伸び」が来るんだ!?なんて嬉しい誤算を噛みしめる暇もなく、ジュースによる歌い出し「抱きしめ ♪」を合図に堰を切ったように始まるヲタコーラスの嵐。

今や「アイドル現場」と一括りに語れないほどに、グループの音楽的指向に合わせて現場のノリなんかも当然違ってくる。アットホームなところもあれば、殺伐としたところもある。若々しいところもあれば、ヲタヲタしいところもある。応援スタイルも多岐にわたっており、やれ、モッシュだ、ダイブだ、MIXだと。やっとるわけです。若さに任せたバイオレンスでヤバいノリなんかも当然あるでしょう。

そんな中、会場に詰めかけたヲタが「妖しげなクールファイブ」よろしく追っかけメロディを「WOW WOW WOW」と大合唱してしまうバックコーラス参加型の応援スタイル。とにかく熟練ヲタによるコーラス隊の完成度のヤバみが凄いわけです。あと、落ちサビ部分の柏手みたいなやつは何なんだよ。

そもそも「背伸び」という楽曲自体が、数多ある「アイドル楽曲」の中でも、かなり異質な音楽性を有するもので、早い話ジュースが歌ってるからギリ「アイドル楽曲」の範疇に収まっているような所がありまして。こんなん内山田洋とクールファイブが歌ってたらモロ「ムード歌謡」になっちゃうわけで、アレンジ次第じゃ別に「五木先生」が歌ったとして何ら違和感ない。歌詞なんかも「女心のいじらしさ」みたいな「昭和歌謡」における、ある種の普遍的なテーマだったりするわけです。

ただ、そんな曲をね。この時代にあえて、うら若き女性アイドルグループであるジュースの面々に歌わせようという、そのやり口。等身大の少女たちの歌唱でお届けしようという、その試み。あたしゃ嫌いじゃありませんよ。

盛り上がり方にも色々な形があって、それこそ先の「研修生発表会」のオーラス曲、℃-ute「SHINES」でやってたようなタオル(研修生バンダナ)をブンブン回して盛り上がる、割りと良くあるタイプのロックフェス的なノリだとか、つばきファクトリーサンライズジャンプ」みたいに若々しいお祭り騒ぎ的なものなんかを真っ先に想像しがちですが、そういった表層的な「外に向かって放出する」タイプの盛り上がり方とは一味違う、内に向かって燃焼するタイプの盛り上がり方を見せたのが、何を隠そうこの「背伸び」だったと。

腹の底からジワジワと熱くなる、沸々と湧き上がってくる甘く切ない高揚感。NHK大阪ホールの会場全体が青白く立ち昇る妖しい熱気に包まれているようなこの感覚。それは「ロックフェス的な喧騒」とも「ヲタヲタしい馬鹿騒ぎ」とも「バイオレンスでやばいノリ」とも違って、一見してわかり易いかたちで、その「盛り上がりっぷり」を伝えるものではありません。

もちろん、ステージ上で展開される「Juice=Juice」のパフォーマンスを追うことに五感を研ぎ澄ましているわけですから、表層的にはそこまで盛り上がってるようには見えなかったかも知れない。しかし、内に秘めたる心の小宇宙(コスモ)みたいなもんは火傷するほど熱く燃えたぎっているわけですよ。

結局のところ、家路に着いてから「コンサート」を振り返った時、まず真っ先に思い返したのが「背伸びが凄かった」という、この事実。かつて見た「背伸び」とは「背の伸び方」が違っていたのです。

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まさか自分がこんなにも、3年も前にリリースされた「背伸び」に今更ハマるなんて。そもそも「背伸び」という楽曲。れっきとした「シングル曲」*4であるにも関わらず、昨年の日本武道館公演でもセットリストに入らなかったくらいの、そこまで「Juice=Juice」を代表する楽曲という扱いではありませんでした。あるいは今もそうなのかも知れません。

「背伸び」がリリースされた時期というのは、メジャーデビュー2年目という正念場を迎えながらも、なかなか跳ねる「シングル曲」に恵まれず苦闘を続けるなかで、一連の「大量昇格人事」の影響もあってグループ自体が「ハロプロ期待の新人グループ」というプライオリティを失い「存在意義」を模索していたような時代になります。

結果的に「つんくプロデュース体制」最後の作品となった「背伸び」に対する風当たりも厳しいものがあったように思います。つまり、なぜ今、こんな辛気臭いムード歌謡みたいな曲を「シングル曲」としてリリースしてしまうのか?という疑問が拭いきれなかった。

そんな空気を知ってか知らずか、つんくPの楽曲コメントBLOGはこんな感じ。

ameblo.jp

追っかけメロディの「WOW WOW WOW」のところは
ぜひ皆さんで大合唱して頂きたいです!

いや、つんく先生の指示だったのかよと。

いずれにせよ、この時期にメンバー自身が「Juice=Juice」の行く末を案じ危機感を持って話し合いを重ねる中で、時にぶつかり合ったり、あるいは乳繰り合ったりしながらも宮本佳林ちゃんが「会社の偉い人」に直談判したことから実現したというボイストレーナー菅井秀憲氏の招聘は、後にジュースがハロプロ屈指の歌唱グループ」として不動の地位を築くうえで重要なターニングポイントとなる出来事でした。

これ「ハロプロ」に限らず、グループアイドルが陥りがちな話として、メンバー間の「歌唱力のバラつき」という避けて通れない問題があります。それならリトルグリー何とかみたいに「歌上手チャンピオン」みたいなのをズラリと並べてしまえば良いじゃないと言いたいところですが、アイドル性と歌唱力のバランスを考慮した場合そんなに単純な話でもないようです。なのでどうしたって、歌はダメだけどダンスが上手いメンバーだとか、ビジュアルは抜群だけど歌はジャイアンリサイタルみたいなメンバーなんかも許容していく事になる。サッカーで例えるなら「フォワード」と「ディフェンス」と「MF」みたいにポジションごとに完全に分かれちゃってて、結局は歌唱メンバーにばかりに歌パートが偏るなんてケースに陥りやすい。というか、今はそれが普通になっちゃってる。

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Juice=Juiceの場合「宮本」「金澤」「高木」の3人は最初から上手かった人たちです。なので「背伸び」をはじめとする「つんくプロデュース期」のシングル楽曲では大体この3人がメインパートを回しています。5人グループで3人歌唱メンって時点でかなりのもんなのですが。

元来の素晴らしい声質を持ちながら、どうしても歌唱において不安定要素となっていたのが「ゆかにゃ」「うえむー」の上京組2人だったわけです。他の3人が上手いだけに、如何せん歌唱バランスに凹凸感が生じてしまっていた。ところがどうでしょう菅井先生恐るべしです。佳林ちゃん曰く「まるで魔法のように声の出る方法を教えてくださる」という菅井流ボイトレ術の効果は「Wonderful World」あたりで早くもジュースの歌唱にハッキリとした変化をもたらします。まず上京組の発声が力強くなり、危うかった音程も安定していきます。全体の歌唱バランスに凹凸感が無くなって、何よりもユニゾンの響きが力強く美しいものに成長していました。こういう言い方をしては「イイジマケン氏」に失礼なのかもしれませんが「Wonderful World」という楽曲自体は、良く言えば素直で分かり易い、悪く言えばベタで面白みに欠けるような、つんく楽曲に毒された「ハロヲタ」にとって元来ツマラナイと感じるたぐいの楽曲だったと思うわけですよ。でも、そうはならなった。歌唱の力強さ、ハーモニーの美しさによってメロディの単純明快さがむしろ心地良く感じる。楽曲のポテンシャルをパワーバランス的にジュースの歌唱が上回ったとまで言ってしまうのは、さすがに「イイジマケン氏」に悪いので、もう言いません。

歌唱の凹凸感が緩和されたことにより歌パートの平均化は進みました。これを再びサッカーで例えるならば、決まったポジションに留まらず、流動的にポジションチェンジを繰り返しながら誰もがゴールを狙えるチーム。まさにあの「リヌス・ミケルス監督」が考案したトータルフットボールであると言えましょう。(未完)

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以上、ここまで書いたところでこのエントリーは事切れています。何か最後の方はサッカーの話になっていたようですが、まさかジュースに「大きな動き」があろうとは露知らず、全体的にわりと緊張感を欠いた文章になっていますね。で、最終的にどのように結論づけて足早に立ち去ろうとしていたのか、ここの部分がハロプロ新体制」的な価値観と真っ向から対立するもんだから正直困ってしまいました。

結果的に5人体制最後のホールツアーとなった「Juice=Juice LIVE AROUND 2017~NEXT ONE SPECIAL~」ですが「背伸び」のパフォーマンスは言うに及ばず、ジュース5人の仕上がり具合にすっかり感服してしまったわけですね。ある意味において「第1期Juice=Juice」として完成の域に達していたようなフシすらありました。しかしながら、これほどまでのステージングを魅せるグループであるにも関わらず、全国規模のホールツアーを常時開催するほどの集客に恵まれる事無く、出口のないライブハウス行脚を未だ続ける日々。

何というか、まだ関西でくすぶってた時代の、シノブフーズのCMとかやってた頃の上岡龍太郎の自己紹介フレーズ「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流、恵まれない天才、私が上岡龍太郎です。」を地で行くようなグループとの思いを強くするばかり。まあ最もアップフロントは金払いに関してはソコソコ良いらしいので「ギャラは二流」で「人気は三流」としたほうが現状に即しているのかも知れませんが、いずれにせよ「恵まれない天才」であることに変わりはありません。

そろそろまとめに入ります。先般Juice=Juiceに対してハロプロ屈指の歌唱グループ」なんて書き方をしたわけですが、広く「J-POP」や「アニソン」界隈に精通しておられる音楽通の皆さんなら、いや異議あり!だと、あの程度で歌がうまいとかチャンチャラおかしいぜと「大阪◯春夏秋冬」の◯◯ちゃんがどうとか「リト◯リ」の◯◯ちゃんがこうとか。アニソン歌手の◯◯があれとか。意見は分かれるところですが、ある程度の基準を越えちゃえば好みの問題に帰結するわけであって、せいぜい「宮崎さん」クラスに歌えれば全然OKだと思うんですよ。そんなもんはね。

むしろ「声量」がどれだけ凄くても、高音が何オクターブ出ようとも、ファンキーでグルーヴィーな歌い回しに定評があろうとも、どこかで聞いたような、誰かのコピーみたいな歌いまわしの、これといった独自性を欠いた単なる「歌の上手い人」のフォーマットをなぞったような歌なんざ面白くとも何とも無いわけです。そんなもんは金澤朋子の指先一つでダウンですよ。*5

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Juice=Juiceがハロプロ屈指の歌唱グループ」に至るまでの経緯として、菅井先生のボイストレーニングによるグループ全体の歌唱スキルの底上げも確かに重要だったろうし、それと並行して行なわれた「News=News」から「LIVE MISSION 220」へと続くライブハウスツアーによりキャリアの割には多すぎる実戦経験を積み重ねた事も大きかったと思います。それにより確実にグループは成長し、パフォーマンスのみならず結束力もより強固なものになったと思われます。

ただ忘れてはいけないのが、じゃあ適当に人気のあるハロプロ研修生を5,6人見繕って「Juice=Juice」が辿った道程をそっくりそのままトレースしたとして、果たしてジュースのような美しいユニゾンを奏でるグループに仕上がるのかというと、それは違うと思うわけです。クセの宝石箱である金澤朋子を筆頭に、各人それぞれが一筋縄ではいかない歌の個性を有した集団であり、同じ歌を歌わせたところで解釈の違う全く別物に仕上がるであろう事は想像に難くありません。しかし、これが一度ユニゾンになるとビシっとハマるわけです。5人の声が重なる事によってしっかりと「ジュースの歌声」になる。健太郎と猛が右腕をクロスする事によって「友情パワー」が生まれて「超人バロムワン」に変身するみたいな話ですよ。しかし耳をそばだててよく聞くと、それぞれの声がしっかりと自己主張して聞こえるという不思議。後天的な努力だけではどうにもならない領域のマジックが働いていると、そんな風に見立ててみたくもなるものです。

つまり「大塚ポンツカも含めて、最初から「声」については相当なこだわりを持って、随分と練りに練られたメンバー選考が行なわれたのではなかろうかと、このように思うわけですね。「Juice=Juice」が綿密な設計図のもとに作られたグループである事を証明する確たる証拠こそありませんが、そのユニゾンの響きが、そこはかとなく真実を物語っているのではないでしょうか。例えば、そう永遠の名曲「大人の事情」のサビのフレーズです。

大人の事情が理解できるほど大人になれないよ

まさに「大人の事情」が理解できるほど大人になれないタイプの「新体制反対派」の急先鋒みたいな人物かと誤解を招いたかもしれませんが、その境地からはとっくに生還していますのでご安心下さい。むしろ7人体制による変化を楽しみにしています。というか、京都公演ですでに見てきました。

それにつけても「新体制始動」からの宮本佳林離脱」と目まぐるしい情勢の変化に全くブログの更新が追いついていきません。なんでも梁川奈々美」「段原瑠々の新メンバー2人が早くもライブにフル参加しているとか。大人の事情の落ちサビを「ゆかにゃ」が代わりに歌ってるとか、ここだよ朋子!の勢いが更に増してるとか、気になる情報がテンコ盛りです。取りあえず不眠不休でエアコンを切って続きを書きますので、ここで一旦切りますね。 

 

#やなとものヤバみが尊い



*1:いや、カントリーだろ!フザケンナこの野郎!という見解もありますが。

*2:「Magic of Love」の2番Bメロ、金澤朋子の歌パート「何処にいるの?」に呼応して定番化したヲタコール。言い回しの絶妙なスマート感が味わい深い。

*3:ホールコンの前に行われていたライブハウスツアーでは何が驚いたって「背伸び」が1曲目だったという。いきなり「背伸び」状態の斬新なセトリだったようです。

*4:2014年10月1日発売メジャー5枚目のシングル「背伸び/伊達じゃないよ うちの人生は」のリード曲

*5:あくまでも特殊性癖にある「ハロヲタ」個人の見解です。