宝ヶ池の「恋はマグネット」
記憶が新鮮なうちに書いときます。
「カントリー・ガールズライブツアー2016春夏」こちらにおじゃまして来ました。*1
今年に入ってからは「社会の歯車的事情」で思うような現場参戦もままならず、年に一度の中野詣で*2である「ハロプロ研修生春の公開実力診断テスト」すら断念せざるを得ないという地獄の苦しみも味わいました。一時期は自暴自棄になってしまい、飲めない酒を浴びるように飲んでみたり「つばきファクトリー」関連のDVDをヤフオクで落としまくってみたりと荒れた生活に身を落としたものでしたが、何も獲って食われるわけじゃなし、ヌーの大群に囲まれて全身ベロンベロンに舐め回される事を思えば取るに足らない瑣末な話と、ドーピング気味にポジティブ思考をアクセルベタ踏みフル回転すればこれ、不思議なもので幾分気持ちも安らいだ次第です。
とか、そんな魂の遍歴なんかはどうでもよくて、カントリーのライブに行ってきたという話です。
「気絶」大阪公演中止と「いなばっちょ」の離脱
暗闇に射す一条の光のごとく、今年上半期最大のお楽しみとして今や遅しと待ちわびていたのが、カントリー・ガールズ主演ミュージカル演劇女子部「気絶するほど恋してる!」大阪公演だったわけですが、事情通の皆様ならすでにご承知の通り、このような事態になってしまいました。
【お知らせ】演劇女子部「気絶するほど愛してる!」5月28日(土)・29日(日) 大阪公演の「公演中止」と「本編上映会」についてのお知らせは特設サイトをご覧下さい。また払い戻しに関して・本編上映会に関しての詳細は後日お知らせ致します。https://t.co/MLf1wnvZPz
— 演劇女子部 - 劇女 (@_gekijyo) 2016年4月28日
何せ「公演中止」ですからね、異常事態なわけです。一人や二人欠場したところで何食わぬ顔でシレッと強行するのが銭ゲバアップフロントクオリティだと思っていましたが、ライブと違ってお芝居となるとそうもいかない。しかも、このお芝居における中心的人物、主役である「寛子」役を演じていた稲場愛香の活動休止にともなう緊急処置となれば、さすがに「キソラ」で代役というわけにもいきません。
小関舞の「声帯結節」、山木さんの「マイコプラズマ感染症」、嗣永PMの「声帯ポリープ」、森戸知沙希の「赤面症」など、これまでも病気が理由でイベントやライブ活動に制限がかかる事はあったものの、今回の稲場愛香のように「喘息再発による治療専念」という復帰時期がいつになるやらわからない重い事態ではありませんでした。それだけに過去の事例と照らしあわせて不穏な憶測を呼び込みがち、ビクビクしがちではあるのですが、現在更新された最後のブログ記事を信じて彼女の復帰を待つよりほかないという状況なのです。
稲ばっちょに関しては「マッシ」やなんかと一緒にハロプロ研修生19期としてお披露目された頃からは想像だにしなかった「ハロプロミュージカルの主役」抜擢という、まさに赤羽橋ドリームを体現したような立身出世の人という印象が強くあります。
研修生当時から噂を聞きつけたハロプロ正規メンバーの耳目を集めるほどの「ダンス」巧者ぶりを発揮していたとはいえ、はっきり言ってしまえばスタイルが良いわけでも顔面偏差値が高いわけでも歌が飛び抜けて上手いわけでもない、一見ただの「雪見だいふく」に過ぎなかったわけです。しかし、それを補って余りあるほどの「声の可愛さ」だったり「表情の上手さ」だったり、男心をくすぐる「アザ可愛いらしさ」はもちろんの事、時に道化も演じられるユニークな一面も合わせ持ち、何より人を惹きつける「愛嬌」に秀でていました。最近のアイドルとしては決して若くない年齢でのカントリー・ガールズメジャーデビューから今日まで、近年稀に見る脅威の伸び率を見せたのが稲場愛香という人だったと、こう思うわけです。
その類まれなる「タレント性」のみならず「歌唱面」での明らかな成長ぶりや、自炊による徹底した体重管理によって適度な「だいふく」感を残しつつ以前と比べて幾分すっきりしたスタイルを維持するなど、本人の向上心とたゆまぬ努力が実を結んでの(カントリーのお家事情的な問題や演技力的な問題はあるにせよ)ミュージカル主演抜擢だったと思うわけですね。一概に言えなくとも、やはりお芝居の主役というはグループのエース的立場の人間がやるもので、それがハローにおける昔からの習わし。そういう意味では色々あってエース不在でここまでやって来たカントリーにとって、ついに来た「ばっちょエース時代」の到来を思わせるエポックな出来事と言えました。
何というか割りとアイドルグループにおけるメンバーの立ち位置って「ハロプロ」に限らず最初の段階であらかた決まってるようなところがあるじゃないですか。にも関わらず、かつて「9期オーディション」で勝者と敗者に分かれた鞘師里保を「ハロステダンス部」でセンターの座から引きずり下ろしたり、カントリー・ガールズ結成当初には考えられなかった今回のミュージカル主役抜擢だったり、次々とその常識を覆していったところが「ばっちょ」の凄さであり、後進にも希望を抱かせるような存在にまで上り詰めたという思いを強く抱いていたわけです。
2014年の「春の公開実力診断テスト」稲場愛香はフリフリ衣装のアイドル歌唱でスマイレージの「スキちゃん」を歌いました。審査員「みつばちまき先生」からは「もう高校2年生になるんで…、可愛いのはずっと見てきたから、ちょっとワタシ的にはカッコ良いの見たかったんだなー」という苦言が呈せられます。当然これ「まき先生」からすればダンスの実力を見てほしいし、そのカッコ良さも知ってもらいたいという親心から出た発言なのでしょう。
しかし、あえて得意のダンスは封印し、カッコ良さよりも可愛らしさに重点を置いたパフォーマンスを見せる事によって「ダンスだけじゃない稲場愛香の新たな魅力」を広く内外にアピールする事に成功したように思うのです。あれで山ちゃんがアップフロント首脳陣が「僕は稲場愛香ちゃん!」となったかどうかは知りませんが、結果的にその年の秋に「カントリー・ガールズ」は始動し、そのメンバーに稲場愛香は選ばれました。
9期オーディション3次審査落選。地元北海道のローカルグループ「PEACEFUL」*3としての活動と解散。ハロプロが地方在住者に大きく門戸を開いた2013年に北海道研修生第1号としてハロプロ研修生に加入。そこから一年余りの研修期間を経てようやく辿り着いたこのロングアンドワインディングロード。自分自身でアイドルの道を切り開いてきた、そんな人物であり、これからもそうであって欲しいと心から願っています。
本来ならばこの「気絶するほど愛してる」大阪公演を経て、返す刀で始まる予定だったのが「カントリー・ガールズライブツアー2016春夏」と、こういう事だったわけですが、その背景をサラリと振り返るつもりが薄々お気づきのとおり、このように「いなばっちょ」への熱き思いのたけを長々と書いてしまうという事態に陥ってしまいました。
さて、そんな「ばっちょ」への思いを胸に、ようやく本題に入ります。
京都市営地下鉄「国際会館駅」
今、チケットの半券を確認したので間違いありません。2016年6月19日(日曜日)に行われた「カントリー・ガールズライブツアー2016春夏」京都FANJ夜公演、これを見てきました。この京都FANJなるライブハウス、京都市内でも北の果て、地下鉄の終着駅である「国際会館」が最寄りの駅となっています。だからと言って「国際会館」でカントリー・ガールズがライブしたわけではありませんよ。それはまだまだ先のお話です。
ちなみに「国際会館」こと「国立京都国際会館」ってのは、地球温暖化対策として二酸化炭素などの温室効果ガス排出量削減目標なんかを取り決めた、あの「京都議定書」が採択された事で有名な場所なんですね。ご存じ無いかもですが。で、本来そんな「国際会議」が行われるような場所ですから、何がしかの国際会議に出るような立場の人間でもない一介の小市民にとっては一生行くことの無い、一生降り立つことなど無いはずの駅だったわけですよ「国際会館」なんて駅は。
にも関わらず昨年の秋から、またまた何回目よ何回目という勢いで通っちゃってる。何故なれば、そこに京都FANJがあるからです。ざっと半券を調べたところ昨年11月のJuice=Juice、今年5月のこぶしファクトリーに続いて今回で3回目でした。すぐそこに比叡山がそびえ立っているような、そんなロケーションのライブハウスです。かつて僧兵がウロウロしてたような場所で「やなみん」が歌い踊るわけですからねこれ。
ホールコン主体のモーニング娘。や℃-ute、ゼップ椅子ありの「研修生発表会」を除けば、ここ数年の「ナルチカ路線」によりライブハウスでのオールスタンディング形式がすっかり定着してしまった感のあるハロプログループの単独ライブ公演。ステージの高さや客席の構造などは各ライブハウスによって当然異なるわけで、おのずと見えやすい見えづらいなんかの優劣がついてくる。ライブハウス公演の何が一番恐ろしいかって整理番号によってはステージが全然見えないなんて事態も起こりえる、そういうヤバさがあるわけです。
メンバーの身長が軒並み低いことでお馴染みの「カントリー・ガールズ」ですが、今回のライブハウスツアーからは新メンバー「梁川奈々美」「船木結」も加わって、その傾向に一層拍車がかかるという始末。オールスタンディング向きとはお世辞にも言いがたいグループなわけですよ。船木が全く見えないなんて事にでもなれば、そりゃもう一生の不覚。
この「ステージが見えづらい」という部分がネックになってオールスタンディング公演を回避する向きもあるかと思うんですが、ここ数年の「ナルチカ路線」を経験してたどり着いた結論としましては、やはりこれ身も蓋もない話「整理番号」が全てであるという事です。そりゃ若い番号に越したことはありませんが、各ライブハウスによって「満足が得られる景観」を確保出来る「整理番号」もまた違ってくる。これはステージの高さだったり、客席の構造がフラットなのか傾斜や段差があるのかによっても当然変わってきますし、もっと言えば自分自身の身長やシークレットブーツの高さ、動きや体のデカイ奴が視界に入り込まないようなポジショニングの読み、挙動のおかしな奴から距離を取る危機回避能力の高さなんかも要します。つまり、同じ整理番号100番であったとしても「奈良ネバーランド」と「梅田クラブクワトロ」では天と地ほどにお客様満足度も変わってくる。各ライブハウスによって整理番号の「損益分岐点」みたいなものも違ってくるわけです。そこの見極めが重要となってくる。
アイスは食べても食べ過ぎない!
さて、ようやく本題に入ります。そういったオールスタンディング公演のノウハウを駆使すれば、過去2回も入ったことのある「京都FANJ」ですから予習はバッチリ出来ている。ここはステージの高さは普通なのですが、客席がフラットでだだっ広く整理番号によってはかなり見えづらい事になる。ふな汁顔面浴び放題の良番とまでは行きませんが、ヤフオク的なやつで熟考の末に叩き落とした整理番号は概ね良いラインを突く、まずまずの視界を確保するものでした。おまけにメンバーが回替わりでソロトークを披露する「MCコーナー」の担当が森戸ちゃんというラッキーにも恵まれ「アイスを食べ過ぎたら肌が荒れちゃったんだよ!」みたいな話を延々聞かされた挙句、最後には何故か「アイスは食べても食べ過ぎない!」という標語を「森戸党決起集会」さながらヲタ全員が復唱させられるという素敵なアクシデントにも見舞われました。つまりこの、端的に言うと悦楽の時を過ごすことになったのです。
狼の一人スレからお借りしたセットリストはこちら
01.恋人は心の応援団
02.キスより先にできること
MC 自己紹介
03.新しい恋の初デート
04.恋はマグネット
05.Bye Bye 最後の夜
06.わかっているのにごめんね
MC
07.VIVA!! 薔薇色の人生
08.リズムが呼んでいるぞ!
MC
09.アンブレラ 嗣永・森戸
10.アイスクリームとMyプリン 山木・小関・梁川
11.ガラスのパンプス 山木・森戸・船木
12.大人になるって難しい 嗣永・小関・梁川・船木
13.グルグルJUMP
MC
コール&レスポンス
14.妄想リハーサル
15.ブギウギLOVE
16.浮気なハニーパイ
17.恋泥棒
18.革命チックKISS
アンコール
19.ランラルン~あなたに夢中なの~
20.愛おしくってごめんね
昨年の秋冬ツアーでやっていた「二人の北海道」「女の子の取り調べタイム♥」という旧カントリー娘。時代の2曲がセットリストから外れてしまったのは個人的に凄く残念だったのですが、その分「梁川・船木」加入後の新曲が増え「カントリー・ガールズ」オリジナル楽曲も随分と多くなってきました。これはもう「アイドルもういっちょ!」の黒メガネ氏の言うとおり「アルバムまったなし!」「浮気なハニーパイ最高!」という状況のようです。
ツアーも終盤戦という事で、そんな新曲にもバッチリ対応してコールやフリコピなんかも完璧に仕上がっており、その様子からは相当数のリピーターが詰めかけている事も窺われました。客席の乗りとして感じた事は、とにかく「ハローのスタンディング」は踊りたくて仕方がない「フリコピ中毒」みたいな人たちが少なからずいるという事です。確実に家で練習してきてるレベルのやつです。「グルグルジャンプ」のサビで回りだした奴を見た時は懐かしさとともに「お前どんだけスペース確保してんだよ」という思いが一瞬頭をよぎったりもしましたが、日常から開放されカントリーのライブを心の底からエンジョイする「おっさんの弾ける笑顔」を見てしまうと、これもう、なんだかんだ許してしまうのでした。
山木さん率いるセクシー小隊による「アイスクリームとMyプリン」やら、モモイレージの「大人になるって難しい」といった味な選曲のシャッフルコーナーも印象深く、会場の盛り上がりという点では「グルグルジャンプ」も確かに凄い。時に「オイ!オイ!」時に「フー!フー!」時に「フワフワ!」と会場に木霊するヲタコールの嵐。会場が一体となって楽曲を盛り上げる、積極的にヲタが楽曲に絡んでいく、楽曲にヲタの息吹が吹き込まれる事によって新たな魅力が引き出され、そこで初めて「ハロプロ楽曲」として完成の域に達するような所があったり無かったりする。これもまたライブならではの醍醐味といえるでしょう。
そんな中、ヲタの介在を一切許すことなく超然と異彩を放っていたのが「恋はマグネット」という曲でした。
視線そらして また追いかけて 恋はマグネット
今更ながらの話ですが、オールディーズやロカビリーといった古き良きアメリカンポップスの流れを汲むカントリー・ガールズ楽曲群にあって、発表当初から「90年代のアニメのエンディング風味」という世代的にピンとこなければ雲を掴むような評価のされ方をした、あの「恋はマグネット」の話です。
ネットやなんかでは散々見聞きしていたものの「恋はマグネット」を実際に生で見たのはこの日が初めてでした。特に思い入れがあるわけでもなくボンヤリと構えていたところ、例の曲初めのフレーズ「目覚める第六感で撃ちぬいて」で拳銃を構える仕草から涼やかな表情でトリガーを引く森戸知沙希の凛とした立ち姿に見入ってしまったのが運の尽き、そのままフラフラと心を撃ち抜かれ「視線そらして、また追いかけて」を繰り返しながらスッカリ曲の世界に引きずり込まれてしまいました。いわゆるヲタコール的な喧騒も無く、先程までフリコピに執心していたようなヲタも軽く手振りでユラユラと南斗水鳥拳の構えを見せるのみ。ステージ上で繰り広げられるノスタルジックな世界に引きこまれ、時を忘れて立ちすくむ不思議な展開を見せます。曲が終わって会場を包む拍手の音でようやく現実世界に引き戻されるような感覚。何というか夢見心地で見入ってしまったわけです。
アイドルに限らずライブにおいては会場が「盛り上がる曲」こそが良い曲であるかのような風潮が少なからずあります。これは別に間違ってるわけでもないのですが、だからといって盛り上がる曲ばかりというのも何だか芸が無い。じゃあ、とばかりに聴かせるバラードを歌い上げるなんてのも、これまた良くある話で。アイドル楽曲も様々な作家陣が参入した近年では洋邦問わずあらゆる時代や音楽ジャンルからアイデアが引っ張りだされ、アイドルと名が付けば何でもあり状態の実に幅広いものとなりました。メタルを歌うアイドル。ターンテーブルを操るアイドル。かっこ良くラップをキメるアイドル。つまり「こ、こ、からだ、行くぜ、つばき、ファクトリー!イェー!」な事になっている。
そんな中、あらゆる音楽を飲み込んだ現代の「アイドル楽曲」にあって、まだ手つかずでこんな秘境が残されていた事にまず驚かされます。音楽の流行り廃りが目まぐるしく様変わりする中で、いつしか人々の記憶からも遠のき、すっかり時間の隙間に取り残されたようなこの「90年代のアニソンのエンディング風」という穴場スポット。
しかしながらこの「恋はマグネット」を作曲したばかりか、なおかつ編曲まで手がけた最重要人物、渡辺泰司氏によると取り立てて「90年代のアニメのエンディング」を意識したものではないらしく、あくまでもこういう事のようなのです。
フラゲ日!
— YASUSHI WATANABE (@yashigoren) 2016年3月8日
「Country Girls-恋はマグネット」
ダンスも美しいMVを是非!https://t.co/PGlWsEa9ko
80、90年代エレクトロベースに懐古胸キュンメロディーを乗せました。
歌詞も秀逸! pic.twitter.com/Wbo7E07Ld2
音的な狙いは概ね予想された時代のテイストに相違なく、さらに懐古胸キュンメロディーまで乗っけられちゃったとて、この90年代アニメのエンディング風味というピンポイントで我々の心に迫り来る感覚を解明するまでに至りません。その謎を解く鍵を握るのはYASUSHIの言うとおり、その秀逸な「歌詞」にあるのではないか!そんな感じの結論にようやくたどり着きました。
作詞を担当したのは「J-POP」はもとより「アニメ」や「ゲーム」関連でもプロフェッショナルな実績を持つ作詞家「井筒日美(いづつひみ)」という方でした。
昨年発売された「アンジュルム」のセレクションベストアルバム「大器晩成」初回生産版Aに収録された「涙は蝶に変わる」が初のハロプロ仕事だったらしく、これまで余り馴染みはありませんでしたが「ASAYAN」以来のハロプロファンという本人による詳しい解説はこちら。
もはや「アーティスト」自ら作詞するのが当たり前みたいになってるこの時代に、プロの「作詞家」で飯が食えてる人の書く「歌詞」ってのは何つーか、やはり良いもんです。これ嫌味でも何でも無く、もし「福田●音」がこれ書いてたら一夜にして評価が一変するほどの、花王名人劇場に出た次の日の「B&B」みたいな事になるレベルのやつですよ。
急な坂道 後ろ歩きで ふざけあい
ミニチュアの街 見下ろしたっけ
友達以上? でもそれ以上 進めずに
惹かれてくほど 反発しちゃう
何ここ良すぎだろ!これこれこれ、こういうやつ「●●花●」ちゃんは、この部分5万回写経するように。
冗談はさておき、年長組3人がメインとなり比較的アダルトな印象のある「恋はマグネット」ですが、あらためて歌詞を見直してみると、これ別に「大人の女性」の歌ではない事が分かります。どちらかと言えば「大人に憧れている」ような「背伸びした女の子」が主人公の歌です。だからと言って船木が背伸びしたところで物理的には大した事ないわけですが、この曲のパフォーマンス面で重要な「大人っぽい表現力」させたらホンマどえらいもん魅せてくるので注意して下さいよ。
「恋はマグネット」というぐらいですから、ご多分に漏れず当然「恋愛」がメインテーマとなります。恋に前のめりになってる「女の子」とは対照的に、どちらかというと男子の方は「恋に奥手」というか、やや「恋に鈍感」なところがあるようです。同年代でも男子より女子のほうが一歩先んじて「大人の階段」登っちゃうようなところがありますもんね。多分男子は家で毎日「プラモデル」とか作るのに夢中なんでしょう。タミヤの戦車のやつですきっと。
フワリくちびるに そっと触れたい
触れたいだけで、これ決して触れてるわけじゃありません。
きっかけをあげたのにドギマギと Follin`LOVE
そんな君の照れた素顔に♥(ラブ)
この野郎は、きっかけもらっといてドギマギと照れてるだけかよ!
弾ける第六感で 抱きしめて
抱きしめているわけでも、抱きしめられているわけでもありません。
止まない第六感で つかまえて
つかまえられてもいないのです。
ラインだ、SNSだと何かと便利なこの時代。得たものもあれば失ったものもまた多い。
何でしょう。黒電話で行き来するようなこの恋のスレ違い。
もどかしくもあり、愛おしくもある。
「由美ちゃん…。」「太陽くん…。」的なアレですよ。
この感覚はもしや、そう!
90年代アニメのエンディング曲みたいな世界観!!
と、わりと強引に結論付けて、このまま足早に終わろうかとも考えたのですが
この「背伸びする女の子」が主人公という解釈に基づけば、あの夜「京都FANJ」で見た「恋はマグネット」で終始一貫「森戸知沙希」と「船木結」を中心とした緩やかな軌道を追いかけていた俺の選球眼もあながち間違ってはなかったわけです。この曲の間奏部分で、この2人がスッと前に出て来てキレ良くダンスを踊った場面が頭の中を駆け巡り、ライブが終わってから握手もそこそこに見たわけです。再度確認が必要だったもので見たんです。YOU!tubeの「恋はマグネット」MV動画を。
当然お気付きの通り、そこにはキレキレでうねり踊る、かつてアレほどまでに「みつばち」が待ち望んだ、あの「カッコイイ」稲場愛香のソロダンスが!
これをまだ生で見れてない事に愕然として、苦いコーヒーを飲んでは切なさを噛みしめる日々なのです。