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使命感的な何かが湧き上がってきたら更新するブログ

「田辺」のリズムと「ハロプロ」の存在価値

のこのこ行ってきた系 春の公開実力診断テスト COOL HELLO!

世間のはじっこの方にいる「ハロヲタ」のさらにすみっこの奥まった茂みの影にあるという「おへその国」の住人たちが年に一度「聖地」に集結し、「アイドル」とは何ぞや!「研修期間」とは何ぞや!と激しく自己に問いかけ、身を引き裂かれるような苦悩の末にその答えを導き出すという荒行。

まあ平たく言えば「ハロプロ研修生」がエントリー順に楽曲を披露し、それを観客一人一人が「審査員」となって入場時に渡される粗末な食券みたいな紙を「一番良かった」と思う子の名前が書かれた箱に投票し、もっとも多くの票を獲得した子には「ベストパフォーマンス賞」の栄誉が与えられるという。ひと呼んで「春の公開実力診断テスト」これに行ってまいりました。いや今更かよ!と、全くもって遅報も甚だしい訳ですが、月刊誌的スタンスでお送りします。

そもそも行われたのが5月4日、会場が中野サンプラザという「ハロプロの聖地」なんて呼ばれてるところでして、人生初の「聖地巡礼」と相成りました。こんな俺でもやっと一角の「ハロヲタ」になれたのかと感慨もひとしお、これからも精進していきたいと思います。

基本的に交通費がチケット代を上回るような「遠征」は自重しておりまして、まあ「余程のこと」が無い限り「遠征」はしないわけです。「名古屋」までがギリセーフ、そこから先は「修羅の国」くらいに思ってる。じゃあ何故ゆえクソ高い新幹線代を払ってまでノコノコ見に行ったのかといえば、それすなわち「余程のこと」だったからなんですね。

世界には大きく分けて2種類の人間がいます。「ハロヲタ」と「非ハロヲタ」です。

これが「アイドルヲタ」と「非アイドルヲタ」の同義かというと単純にそういう話でもない。「アイドルヲタ」だけど「非ハロヲタ」なんて例は枚挙にいとまがないし、逆もまた然りです。

最近ではシーン全体の裾野も広がり、メジャーからマイナー地方ロコドルの類に至るまで、まさに「アイドル」の大見本市状態。音楽的にも多種多様であり「ハロプロ」に軸足を置きつつ「他社のアイドル」にも見聞を広めるようなDD気質な人も多いし、そのまま帰ってこれなくなるようなケースも多分にあるでしょう。

じっさい私もマルコポーロばりの見聞欲でもって様々な「他社のアイドル」を巡回観測するほうなんですが、他所を知ることによってあらためて気付かされる「ハロプロ」の良さみたいな「結局道重」じゃないですが「結局ハロプロ」な部分があって、代替不可能な魅力がやはりある。

 歌やダンスの技量だけなら「ハロプロ」より優れた人たちはゴマンといるだろうし、ルックスに関しても自信を持って「美少女集団」と豪語するほどこちらも厚かましくはありません、むしろ絶妙なコースを突いてきた「クセ球」揃いといった印象です。

やはり楽曲こそが「ハロプロ」最大の特徴であり、つんくが作るアレな曲こそ最大の魅力につきると、まあ確かにその要素は強いんですが、それだけじゃないんですよね。

 若さに任せて「ハロヲタ」やってるような連中からすれば「若気の至り」や「熱に浮かれて」で済む話なんですが、それなりのいい大人が「ハロプロ」に血道を上げるとなると世間の目もまた違ってくるわけで「わたくしハロヲタでござい」なんて大手を振って歩けるほど日本はまだまだフリーダムな国じゃありません、おへその国とは違うんです。世間的には「いい年した大人が若い子の尻を追っかけて」と眉をひそめられるのがオチだし、実際尻を追っかけてる部分があるのもまた事実。

とかく「ハロヲタ」には生きにくい世の中です。にも関わらず抗えない「ハロプロ」の魅力とは何なのか?

昨年行われた第一回目の「春の公開実力診断テスト」はそんな「ハロプロとは何ぞや」という「永遠のテーマ」にプロデューサー自らが斬り込みまくる、まさに「つんくボーイ独演会」あるいは「つんく師によるありがたい法話」状態となります。まずここを振り返らないと始まらない。セットリストはこちら。

M1 彼女になりたいっ!!!(ハロプロ研修生曲) 全員

M2 有頂天LOVEスマイレージ曲) ダンスチーム【金子・田口・小川・野村・牧野・和田】

M3 The 摩天楼ショーモーニング娘。曲) ダンスチーム【田辺・吉橋・室田・一岡・佐々木】

M4 Bye Bye Bye!(℃-ute曲) ダンスチーム【浜浦・小数賀・山岸・加賀・岸本】

M5 その場面でビビっちゃいけないじゃん!!(モーニング娘。曲) 吉橋くるみ

M6 私、ちょいとカワイイ裏番長(℃-ute曲) 佐々木莉佳子

M7 ありがとう!おともだち。(Berryz工房曲) 浜浦彩乃

M8 会いたいロンリークリスマス(℃-ute曲) 田口夏実

M9 有頂天LOVE(スマイレージ曲) 和田桜子

M10 夢見る15歳(スマイレージ曲) 野村みな美

M11 好きな先輩(モーニング娘。曲) 小数賀芙由香

M12 笑って!YOU(モーニング娘。曲) 岸本ゆめの

M13 キャンパスライフ~生まれて来てよかった~(℃-ute曲) 田辺奈菜美

M14 ザ☆ピース!(モーニング娘。曲) 牧野真莉愛

M15 抱いてよ!PLEASE GO ON(後藤真希曲) 金子りえ

M16 本気ボンバー!(Berryz工房曲) 加賀楓

M17 First Kiss(あぁ!曲) 室田瑞希

M18 寒いね。(スマイレージ曲) 一岡伶奈

M19 この街(℃-ute曲) 山岸理子

M20 ふるさと(モーニング娘。曲) 小川麗奈

M21 五月雨美女がさ乱れる(新曲) Juice=Juice

M22 私が言う前に抱きしめなきゃね Juice=Juice

M23 JUMP(℃-ute曲) 全員

M24 友情 純情 oh 青春(Berryz工房曲) 全員

 去年は呑気にネット桟敷から情報を追っていたわけですが「実力診断テスト」の全貌が明らかになっていくにつれ、握るマウスのその指先にも自然と力が入ります。当時の狼板「一人スレ」の書き込みを時系列で追っていくとこんな感じ。

  • 入場時に「投票用紙」が渡される
  • 名前を書く欄がないのでメンバーごとの箱があってそこに入れるシステムだろうと推理するヲタ登場(予想的中)
  • 0列一部潰して前に審査席、審査員席は4つ
  • 公演時間長そう
  • 審査員長つんく♂、審査員は、みつばちまき、小川麻琴、まこと
  • つんく声ガラガラ
  • 1部終了後に投票タイム、エンディングで結果発表
  • 曲はワンコーラス、衣装は私服
  • 歌審査時は着席観覧

いろいろと情報が出揃ったところで本編スタート。まずは「ダンス審査」から。研修生を3チームに分けて課題曲に沿ってダンスを披露していくのですが、これ今年はなくなりました。参加人数の増加(16人→26人)による時間的な問題が一番の理由でしょうか。

以下はネットに載っていた「録音班」によるアンオフィシャルなお土産をもとにアレコレ書きますが、本来ならこれ「DVD」にして売らなあかんレベルの内容です。「研修生もの」ということで色々難しい部分はあるんでしょうけど、こんな面白コンテンツにも関わらず安易に売り物にしない辺りがアップフロントの「良心」であり「商売下手」なところなのでしょう。

兎にも角にも「つんく」による審査での講評がほんとに良くて、専門外かと思われる「ダンス審査」にも弁舌爽やかに「リズム」の話を軸として大いに語るわけです。「研修生」にも「観客」にも分かりやすい言葉をつかって「専門家的視点」と「笑い」を交えつつ講評を述べていく。

基本的にまず「ハロプロ研修生」一人ひとりの良いところをキッチリ褒める、それは「ヲタ」から見ても「良いところ」と少なからず感じている部分の指摘が多く、「つんく」の言葉に対して「ヲタ」は共感の歓声と拍手でもって答える。会場全体がとてつもなくいい雰囲気である事が伝わってきます。またダメ出しするにしても「良い点」は評価しつつ、「こうしたほうがもっと良くなる」と丁寧にアドバイスしていきます。何というか「良い先生」なんですよ実に。

ある意味ここからが本番といえる「歌審査」はトップバッター吉橋くるみの「その場面でビビっちゃいけないじゃん!!」からスタート。まずマイクホールドがしっかり出来てる事を褒め、リズムの早取りを指摘しつつ、ダンスの勢いに引っ張られて歌がやや乱暴に聞こえた事から「つんく師」はこう語ります。

歌には必ず表情があって、顔の表情だけじゃなく「歌の表情」をしっかり付けられるように訓練出来ると更に「いい歌」が歌える「歌手」になる。歌好きの女の子から「歌手」になっていく。ここを大きな目標にしていただきたい。

 

ここで「つんく師」による「歌手」の定義が語られます。「歌の表情」を付けられるようになって初めて「いい歌」が歌えるようになるという事でしょうか。ありがたいお言葉です。

エントリー№3、「はまちゃん」こと浜浦彩乃に対する講評の中で「つんく師」による持論が爆発します。

もう少しホントの意味での歌の表情、流れみたいなものが良くなっていくと聴いてる方も心地よく聴けるんだろうなあと思って見てましたが・・・

ただ、そういう理屈を超える何かを持ってるのが浜浦なので(ここでヲタ大っ喝采、鳴り止まない拍手)もちろん上手くなってもらいたいんだけど

今持ってる個性もそのまま伸ばしてもらいたいなという2つの気持ちでいつも見ております。

 

吉橋の講評で散々語られた「歌手」の定義が早くも覆されます、まあ覆されたというか「それだけではないよ」という事でしょうか。たしかに浜浦はそれほど歌が上手いほうではない、しかし得難い個性「滲み出るアイドルオーラ」は抜群というタイプです。理屈を超える何かは誰もが持ってるものじゃない、それもまた一つの才能ということでしょう。

かつてモーニング娘。6期メンバーオーディションに参加してきた道重さゆみに対して「この子自体が作品やな」と評したつんく師。道重さんもまた「それほど歌が上手いほうではない」タイプの人でした。

「この子自体が作品やな」系でもっとも「つんく先生」が食いついたのが、エントリー№5、和田桜子でした。


ハロプロ研修生 和田桜子 有頂天LOVE - YouTube

ピッチも上擦る所があったりとかですねえ、もう「ワフー」がズレてたりとか、リズムも突っ込むんですけども、そこが「萌」なんですよね。(ヲタ大喝采)

 

 要するに歌に関しては「いいところなし」なんですが「キャラクター」として素晴らしいものがあると、「このキャラはハローに大事だろう」という選考理由で彼女には「審査員特別賞」が送られます。

 エントリー№6、「みなみな」こと野村みな美。去年のこの時点ではまだまだ経験も浅く、もっとも地味な存在だった「みなみな」。つんくから彼女のダンスについて聞かれた「みつばち先生」はこう返します。

私、最初っから見てるじゃないですか、やっと自分の意思を前に出すようになったんですよ。今までは何でこの子ここに入って来ちゃったんだろうって感じだった。

 

 たしかに「芸能人」や「アイドル」を目指すタイプには見えない、あまりにも「普通の子」これがヲタ共通の認識だったかもしれません。これを受けて「つんく先生」から仰天発言が飛び出します。

今のあなたのポジションとしては先生も言うように、そんなメンバーもいてもいいかなってゆうのが「ハロプロ」なんで。(客席ザワザワ)たぶん他の事務所のオーディションやったらすぐ落ちてると思うんですけど(ヲタ大爆笑)これが存在価値があるところにまた「ハロプロ」の存在価値があるんで(ヲタ共感の大拍手)

 

 溜飲を下げるとはこの事です。「かなり突っ込んだ発言」ですし、一見「みなみな」に対してキツイ内容のように聞こえるかもしれない、しかし「ハロヲタ」として共感以外の何物でもなかったわけです。

凡百の芸能事務所なら「芸能人」しかも「アイドル」として売り出すわけですから、どうしたって「クラスでも目立つタイプ」の子をチョイスしていくのが定石でしょう。しかしクラスの男子生徒全員が「目立つタイプ」の子が好きかと言ったら決してそんな事はないわけです。「地味であまり目立たないタイプ」だけどよく見りゃ可愛らしい「放送部の野村さん」みたいな子に心惹かれる男子生徒も少なからずいるわけですよ。

ドラマ「GTO」の生徒のキャスティングが美男美女ばかりで「学園感」まるでなし状態だったように、ズラッと「そっち方面」のタイプばかり並べられても辟易となる。

何というか「ハロプロ」というか「つんくボーイ」は定石とかに囚われないところがあって、「ハロプロ」だからこそ生きる人材の発掘、少し言い方を変えると「ハロプロ」だからこそ「拾われた」ような「メンバー」ってのが少なからず在籍していて、逆を返せば「他に幾らでもいるようなタイプ」をあえて避けてるようなところがある。

つんく氏が作る「楽曲」にしてもそうで、あえて「無難な良曲」に走らない姿勢というか、無駄に「チャレンジ精神旺盛」なところがあって「ヲタ」からすりゃあ不満に感じたり、もどかしく思うようなことも多いんですが、だからと言って「あたりさわりのない」ことに終始されても、それはそれで寂しいんじゃないでしょうか。それこそ「存在価値」が無くなってしまう。

 この発言にしたって「なんか腹立つ」けど同意せざるを得ない。悲しいけどこれ「ハロヲタ」なのよねってとこです。

ちょっと長くなったので強引にまとめに入りますが、つんく先生はこの「「実力診断テスト」において終始一貫「リズム」に対して拘った講評を続けます。勢い余って「リズムは人生」発言まで飛び出す始末。しかしそんな「リズムバカ」つんく先生を「歌で持っていった」と唸らせたのがエントリー№9「田辺奈菜美」でした。


田辺奈菜美 ハロプロ研修生 キャンパスライフ~生まれてきてよかった~ - YouTube

 いや、歌で持って行きましたね、ちゃんとねキチンと。いい歌を歌えたし、まあ今まで訓練してきたものがちゃんと蓄積されていってるなと思ったし。℃-uteが歌ってるその歌とも違う自分なりの歌も歌えてたので、今後はまた違う色んな曲も歌っていったらどうなるんだろうって興味が湧くぐらいの「いい歌」でした。ピッチもリズムも良かったので、しっかりそこに表情がついてきてたって事で自然でした凄く。

 田辺が歌ったこの日の「キャンパスライフ」の素晴らしさって、まさに「つんく先生」が拘る「リズム」の正確性に裏打ちされたもので、テンポ良く繰り出される「甘ったるい舌足らずな声」による歌唱の心地良さは「楽曲との相性」とも合いまって出色の出来栄えでした。

この結果、ヲタによる投票で決まる「ベストパフォーマンス賞」の行方は、「つんく先生」が講評の中で「松浦亜弥」「鈴木愛理」の名前を引き合いに出すほどの「歌唱力」の高さと、田辺とはまた違った「カッコ良い」系のアプローチで勝負してきたエントリー№13「むろたん」こと室田瑞希との一騎打ちの様相を呈します。 


室田瑞希 ハロプロ研修生 First Kiss - YouTube

 その結果はご存知の通り「田辺奈菜美」が「395票」を獲得し初代ベストパフォーマンス賞戴冠と相成ったわけですが、だからと言って「デビュー」への道に直接つながることはなく「室田」「浜浦」を含め「デビュー待ち状態」のまま1年を過ごす事になります。

その間「モーニング娘。11期オーデ落選組」の台頭、才気溢れる「未来少女オーデ最終合宿組」の加入などにより「ハロプロ研修生」の勢力図にも変化が生じます。

また「生たまごShow」の東名阪ツアーの恒例化、コンサートツアーへの帯同、BSながらレギュラー番組まで始まるなど活動内容も大幅に拡大。俄然「ハロプロ研修生」への注目度が高まります。

そんな中、今年の「春の公開実力診断テスト」は行われました。

今回久々に去年の「実力診断テスト」音源を聞き直しを回願してみて、会場全体を掌握し、全てを「つんく」がコントロールするような雰囲気の中で行われた前回、面白いことに「研修生」が誰一人泣いてないんですよね。「つんく不在」の影響と「ハロプロ研修生」を取り巻く状況の変化も踏まえつつ続きは後日ということで。簡潔にまとめる能力を著しく欠いたこのエントリーを閉めたいと思います。