つんく♂の事だからこんなに言うんだよ!!
今年のハロプロと今年のつんく
最近、びっくりするくらいブログを更新していなかったさおりです ♪ *1
今年のハロプロ関係を振り返ってみると、やれ痩せたり太ったり、やれ急に辞めたり思わぬ所から復活したり、はたまたBerryz工房が活動休止したと思ったら新たなファクトリーがワラワラと誕生してみたり、℃-uteがミュージックフェアで共演したツイストの世良さんに「ペットの飼い方に関して」やんわりと注意されたりといった不祥事なんかも含めて、まあ色々と動きがありました。
そして、その中でも「ハロプロ」全体を通して特に大きかったのは
この1点に尽きると思うわけですね。
長きにわたって陰に日向にハロプロを支え続けてきたあの男。つんく氏が自身の著書「だから、生きる。」の中で、現在は「ハロプロ総合プロデューサー」のポストを離れ、あくまで一作家としてモーニング娘。などのサウンドプロデュースに携わっているという事を明らかにしました。昨年からの流れを見てきたハロヲタにとってはすでに薄々どころか承知の事実だったわけですが、いざこうしてハッキリ明言されちゃうと、やはりこれ腹にズシリとくるものがあります。
また「ハロプロ総合プロデューサー卒業」の構想自体はつんく氏の病気発覚以前から打診されていた話のようで、これによってメンバーのみならず今の制作陣が全て入れ替わったとしても未来永劫続けられる「ハロプロ永久機関化計画」的なアップフロントサイドの思惑がうっすらと垣間見える結果となりました。
ハロプロを離れたとはいえ、つんく氏個人としては「声帯摘出手術」の件を告白して以降、その悲劇性ゆえに世間的にもマスコミ的にも大きな関心を呼ぶ事となり、図らずも「つんく再評価」的な流れを生み出していくあたりが何とも皮肉な話で、これもまた有名人ゆえの宿命なのでしょう。
実際つんくワークスのほとんどを占めていた「ハロプロ縛り」から開放されたことにより、これまでになく幅広い外部アーティストへの楽曲提供が目立つようになりました。
ジャニーズの人気グループKis-My-Ft2(キスマイフットツー)に提供した作品「最後もやっぱり君」はオリコンウイークリーチャートで見事1位を獲得。石川さゆりや野口五郎といった大御所ベテラン歌手との仕事だけに留まらず、若手の「Chu-Z」や「イケてるハーツ」といった得体のしれない地下アイドル新進気鋭のアイドルグループにまで楽曲を提供するフットワークの軽さというか、昔なじみの音楽仲間への義理堅さは流石のもんです。
そして特筆すべきは、美勇伝「恋のヌケガラ」の作詞でお馴染みの湯川れい子先生直々に依頼され、次世代に歌い継がれる「新しい子守唄」として作られた楽曲「うまれてきてくれて ありがとう」が今年の日本レコード大賞で作曲賞に選ばれるという栄誉に輝きました。額面通りこの作品が今年発売されたものの中で最も秀でた楽曲だったのかと問われれば、そりゃあ中島卓偉あたりが黙ってないでしょうが、話題性やら功労賞的な意味合いやら大人の事情が諸々からんで最終的に音楽界の重鎮が「今年はつんくにやろうじゃないの」という事で丸く収まったと勝手に想像しておきます。
しかしこの日本レコード大賞「作曲賞」がどれほど凄い賞なのかいまいちピンとこなかったもので、大変失礼ではありますが過去の受賞者をざっと洗わせてもらいました。
2014年 鬼龍院翔
2012年 レーモンド松屋
2011年 若草恵
2010年 FUNKY MONKEY BABYS
2009年 JUJU、JAY’ED、Jeff Miyahara、RYLL & couco
2008年 叶弦大
2007年 新井満
2006年 五木ひろし
2005年 弦哲也
2004年 河口京吾
2003年 松本良喜
2002年 聖川湧
2001年 菊池一仁
2000年 原一博
どうですこれ。ファンキーモンキーから五木先生にいたるまで各種取り揃えたカオスなラインナップ。日本歌謡界の深淵を覗き見た思いです。それはさておき重要なのはここからです。2000年に原一博氏が小柳ゆき「愛情」の大ヒットで作曲賞をゲットした前年、1999年の受賞者を見て驚いたわけだ。
前にも貰った事があるというね。というか何回でも貰えるパターンのやつなのか「作曲賞」って。これ何度も受賞した人って過去にもいたのでしょうか。色々と気になるところではありますが、もうこれ以上調べる気力も湧かないので各自ウィキペディアとかで調べてください。
ありがとうございます。 色々あった今年、僕の作品に対して評価いただいたこと、何より嬉しく思います。 「ああ、続けてきてよかった」と。 皆様本当にありがとうございました! つんく♂レコ大 作曲賞 https://t.co/U9hXZSqRl7
— つんく♂ (@tsunkuboy) 2015, 11月 19
当の本人も「LOVEマシーン」で受賞していた事などお首にも出さず、さも初めてもらったかのような新鮮なリアクション、実にスマートなもんです。レーモンド松屋って誰やねんとか野暮な詮索は無しですよ。ここは素直に「おめでとう!やったじゃん!!」とリプライジングするのがSNS時代のマナーというものです。
LOVEマシーンの呪縛
「LOVEマシーン」について、後につんく♂は「音楽の神が降りて来て作った」と語ったそうです。先ほどウィキペディアで調べました。
頻繁に中学生くらいの女の子が降りて来てるのは「一部の作品」を通じて常々感じていた事ですが、さすがに天下の「LOVEマシーン」ともなると「音楽の神」という事になる。
だからといって今のモーニング娘。が「ゴールデンの音楽特番」に珍しく呼ばれたと思ったら新曲そっちのけで「LOVEマシーン」でEVERY BODY BODY BODYしちゃった日にゃあ、そりゃもうただの「ラブマ保存会」じゃありませんか。そもそも今のモーニング娘。に「LOVEマシーンより後に生まれた」メンバー何人いると思ってんだよと。工藤と牧野と羽賀で3人もいるんだよと。*2
しかし怒りのあまり忘れがちですが、その「LOVEマシーン」の神がかり的な大ヒットが無ければ、それに続くプッチモニ「ちょこっとLOVE」での連続ミリオンもなかったでしょうし、モーニング娘。が社会現象と呼べるほどの国民的大ブレイクを果たす事もなかったでしょう。そうなれば「モーニング娘。の妹分オーディション」に松浦亜弥が応募してくる事もないし、当然「ハロープロジェクト」のような組織に発展することもなかった。「ハロプロキッズ」も「ハロプロエッグ」も生まれなかったでしょう。モーニング娘。が現在まで続いている事など到底ありえなかった。つまり工藤と牧野と羽賀がモーニング娘。になる事もなかったわけですよ。結局のところ、あの日あの時つんく♂に音楽の神が舞い降りてなければ全てが存在しなかったというパラドックスに陥るわけです。
このような昔の大ヒット曲ばかりがことさらに評価され、今の楽曲がほとんど知られることなく埋もれてしまっている現状へのモヤモヤは何も世俗を離れた「ハロプロ」に思い入れの深い連中だけのものではなく、つんく本人にとっても自身に対する過去への賞賛とは裏腹に心の奥底では「今も良い曲作ってるで」という強い思いはあったはずです。
その一端が垣間見れたのが、約2年前にOAされた「ヒャダイン」こと前山田健一氏のラジオ番組「ヒャダインの"ガルポプ!"」にゲストとして「つんく♂」が登場した回。
ヒャダインが「アイドルプロデュース界のレジェンド」とリスペクトして憚らない「つんく♂」をゲストに招き、ハロープロジェクトの楽曲を掘り下げつつ「つんくの兄貴」にアレコレご教授賜るといった「つんく接待」色の濃い内容の面白回です。
この中でつんく♂がお薦めするハロプロ楽曲を紹介していくというコーナーがありまして、あらかじめ「つんく♂」がセレクトした曲の中から「ヒャダイン」に1曲だけ選んでもらうといった趣向になっています。
ニュアンス的には音源を聴いてもらうのが一番わかりやすいのですが、まずつんく♂は「Berryz工房」の中から 「蝉」「さぼり」「あなたなしでは生きてゆけない」の3曲をセレクトします。いずれも初期Berryz工房を代表する名曲。つんく♂が軽く解説を交えながら1曲ずつ紹介していくのですが、どうも「蝉」「さぼり」での食いつきが悪いんですね健一が「ホウ」なんて気のない相槌を打つばかり。一転して「あななし」ではガッツリ食いついてアレコレ絶賛したあげく結局「あななし」を選んじゃう。
これ明らかに「あななし」しか知らなかった人のリアクションですよ。つんく♂からすれば自分の事をリスペクトしてくれてるみたいだし、可愛い弟分的存在くらいに思っていたとして不思議じゃない、もはや「すっぽんファミリー」も同然です。ましてや同業者ならば当然この辺はマストで押さえているだろうというヒャダインへの淡い期待もあったはず。何だったら割と語られることの多い「あななし」なんてダミーみたいなもんで本命は「蝉」「さぼり」だったフシすらある。そもそも前山田クラスの人物にすら「第(2)成長記」はおろかアイドルポップスの歴史的名盤「1st 超ベリーズ」が聞かれていなかったという事実の重み。ショック大ですよこれは。
曲が終わってクールを装いつつも動揺を隠しきれない「つんく」がこう切り出します。
寺)いや「蝉」「さぼり」をねえ、歌詞をちょっとヒャダインに今度見てもらいたい。
前)あー、ぜひぜひ拝見させてもらいます。
寺)俺の女子力をもし語るならこの曲を知らないとちょっとダメねーみたいなね。
前)そうなんですね。やっぱつんくさんの女子力は勉強をさせて頂く事すごい多いんで……。
俺の女子力はさておき、さすがに不穏な空気を感じとったのか 、ここからヒャダイン「つんくさんの女子力」の凄さをとにかくアピールして何とかその場を取り繕います。しかし次のスマイレージ曲でも「ぁまのじゃく」をスルーして「チョトマテクダサイ!」を選んでしまうという目も当てられないイージーミス。おい!健一「ちょっと待ってください!」はこっちのセリフだよと。
確かに健一の言う通り「万人に受ける曲」という点でのインパクトは十分にある。取り分け子供への訴求力の高さを裏付けるエピソードとして当時小学4年生だった船木結がこの曲のMVを観て「印象に残るタイトルと、ダンスにはまってハロー!プロジェクトを好きになりました。(「OVERTURE」 005 2015 December)」と「ハロプロ」のオーディションを受けるきっかけとなったという、その1点においても評価されてしかるべきものです。なのですが、この流れ的には「チョトマテクダサイ!」じゃないでしょう。つんくが語りたくて仕方なかったのは「俺の女子力」についてなんだよ。何故汲み取ってやらんかねそこを!もう「ぁまのじゃく」何てその際たるもんじゃないか!!
そして再びつんく♂を悲しませてしまうのです。
ハロプロ楽曲大賞と「青春小僧」
今年のハロプロ楽曲大賞ですが、投票するにあたりノミネートリストを見るにつけ、やはり全体を占める「つんく楽曲」の割合、くだけた言い方をすれば「寺田曲」の激減ぶりをあらためて噛みしめる事となりました。モーニング娘。のシングル絡みとハロプロ研修生のアルバム曲くらいですか、まあ研修生アルバムも実質去年の作品ですけど。
そんな「寺田曲」を渇望する気持ちとは裏腹に、いざ投票してみた結果がこれですよ。
1. 愛・愛・傘 / Juice=Juice (作詞作曲:中島卓偉)
2. 恋泥棒 / カントリー・ガールズ (作詞:児玉雨子 作曲:村カワ基成)
3. 念には念 / こぶしファクトリー (作詞作曲:アベショー)
4. 生まれたてのBaby Love / Juice=Juice (作詞:星部ショウ 作曲:masaaki asada)
5. 今すぐ飛び込む勇気 / モーニング娘。'15 (作詞:児玉雨子/三浦徳子 作曲:泰誠)
選評とかはアレコレ書きませんが、良い曲なので何回も聴いたよっていう単純な理由です。そして、ご覧のとおり「つんく曲」は5位以内に入りませんでした。
今年の「つんく曲」がダメだったのかと言えば、そこまで悪くもなかった。むしろ「非つんく系ハロプロ楽曲」が押しなべて良かったという「嬉しい誤算」故の結果です。ただ少し感じたことは、昨年春に療養するまでの「つんく氏」は、モーニング娘。、Berryz工房、℃-ute、スマイレージ、Juice=Juiceというハロプロ全グループの「シングル曲」やら「アルバム曲」を作り、その他もろもろマルチな仕事をこなしつつ「お好み焼き屋の新メニュー」*3まで考えるという尋常ではない仕事量をこなしており、それ故これまでにハロプロ関連楽曲だけでも優に1000曲*4は超えるという膨大な作品を残してきたわけです。イメージとしては、もはや加藤鷹です。
そのすべてが良曲と言うつもりもないし、時に首をひねる事もしばしばだったとはいえ、長きに渡ってハイペースで楽曲を量産していった、その多作ぶりから幾多の傑作が生み出されてきた事も我々は知っています。この創作ペースがぐッと落ち着いたことによる影響がまるでないとは言いがたいのではないかと。そこら辺どうも本調子ではないと感じる所以なのです。
例えば「青春小僧が泣いている」なんてリリース直後は相当はまった口で、渋江修平監督による幻想的なMVとも相まって、その難解な歌詞世界の混沌とポップスの体を綱渡りで成すような奇妙な構造に酔いしれ「YO誰ぞ!」とばかり鼻息も荒く耳を真っ赤にして聴きこんだものです。記念すべきデビュー曲で「世の無常」を歌わされる中学2年生のあかねちんとか、余りにもポピュラーミュージックとして規格外過ぎたのかもしれません。時を経て冷静になって考えてみると「味は美味しいけど、やたらと小骨の多い魚。」という評価に落ち着きました。
「大人の事情」とNEXT YOU
最近のつんく作品について忌憚のない意見を述べると、いい意味での俗っぽさに欠けてるような気がして仕方ないわけです。もっとこうギラギラした色気というか、色っぽさ、じれったさ、この地球の平和を本気で願ってるような汗臭さがいまいち足りない。どこか達観してしまったような醒めたところが気になるのです。
もちろんつんく氏の経験した環境の激変ぶりを鑑みれば仕方のない事だし、作風に何がしかの影響があって然るべきことも理解できます。楽曲制作を行う上で言葉の問題がどれほどネックになっているのか、細かいニュアンスとかまでちゃんと伝えられるもんなのか、頭に描いたイメージ通りの作品に仕上がってるのかも分かりせん。なのですが、ぶっちゃけると物足りなさを感じていたわけです。天下一品に行って「あっさり」食ってるような。
そんな折、ジュースの宮崎さんにこんなビッグオファーが舞い込んで来ました。
流行作家の「アイドルもの」という事で、遅かれ早かれ実写化織り込み済みの案件と目されていたように思うのですが、まさかの「ハロプロ」しかも「Juice=Juice」というフジテレビお前マジか!な展開に驚きこそすれ、驚いたわけです。
そしてドラマに登場する架空のアイドルグループ「NEXT YOU」をつんく♂がプロデュースするという事が明らかになり「背伸び」を最後に途絶えていた「つんく♂プロデュース」の復活を何よりもメンバーが歓喜したというリーダー宮崎さんのコメントはとても印象的でした。
このドラマの主人公のアイドルグループ“NEXT YOU”を私たち5人が演じ、そのプロデュースをつんく♂さんがして下さるということで、久しぶりにつんく♂さんプロデュースで活動できると知った時はメンバーみんなで大喜びしました。(ゆかにゃ談)
220公演を目指して絶賛開催中の単独ライブツアー「LIVE MISSION 220」でもオープニングアクトと称して早速この「NEXT YOU」は登場します。そこで待望のつんく楽曲「Next is you!」を披露したわけですが、名盤との誉れ高いJuice=Juiceの1stアルバム「First Squeeze!」の非つんく系新曲群を通過した耳には「懐かしい味わい」ながら、さほどインパクトのあるものとは思えませんでした。実際11月の京都FANJ昼公演で見た「NEXT YOU」は楽曲より何より「みんなで行こーぶどーかーん」等のこっ恥ずかしい系のコールアンドレスポンスによる妙な高揚感の記憶しか残っていません。
長くなりましたが本編はここからです。今月1日に川崎CLUB CITTA'で行なわれた「宮本佳林バースデーイベント」ではイベント終了後、同会場とオーディエンスをエキストラに仕立てあげドラマ「武道館」のLIVEシーンの撮影が敢行されました。ここで「Next is you!」に続くNEXT YOUの新曲が初披露されたのです。タイトルは「大人の事情」。
つんく氏がライナーノーツで書いているように当初「主題歌」のつもりで書いたもののドラマスタッフの意向により「挿入歌」という扱いになったのが「大人の事情」となります。この曲は「武道館」という物語のテーマを見事に楽曲として描き切っていました。
ドラマの原作小説「武道館」を実際に読んだわけではないのですが、ネットを駆使して大筋の内容は把握しているつもりです。物語の外観はアイドルの内幕をを描いた「アイドル残酷物語」といった装飾が施されており、これはハロプロ研修生の楽曲「アイドルはロボット」って昭和の話ねでつんく氏も書いたように「アイドルがロボット」でいられた幸せな時代とは違い、ネットやSNSの発達した現代社会を「生身の人間」として生きるアイドルの悲哀が描かれているわけです。
しかし、それはあくまでも物語を盛り上げる舞台装置に過ぎず、つまるところ重要なのは「恋愛」の部分、それも「許されざる恋」という部分こそが物語のキモとなるのです。古くは「ロミオとジュリエット」の昔から、島津ゆたかの「ホテル」や韓流ドラマに至るまで、洋の東西を問わず時代を超えて描かれてきた永遠のテーマ。障壁が高ければ高いほど激しく惹かれ合い熱く燃え上がるのが愛ってもんじゃないですか。まさにそこの部分を青春歌謡ポップスとして見事に昇華させたのがこの「大人の事情」という楽曲です。
情感豊かな歌の表現力に定評のあるメンバーを揃えた「Juice=Juice」と、最近スッカリ影を潜めていた「つんく♂」の青春センチメンタル歌謡のマッチングによる相乗効果もあるのでしょう、もはやワロタレベルではない事になっています。
Aメロのつなぎで挟んでくる「吐息ブレイク」の悩ましさ、1番サビの「大人の真似して恋しただけだよ」とかもう痺れるようなパンチライン。宮崎さんも朋子ちゃんも完全に大人なんだけど、そんな野暮なことは言いっこ無しですよ。もうホントマジつんく♂最高じゃん!!世界はこれを待ってたんだよ!!!枯れてるとか疑ったりして悪かったよ、許してよ愛ゆえにごめんなさいね。
拾った音源でここまで熱く語れるほどに「大人の事情」が素晴らしい出来だったわけです。ここにきてメランコリック歌謡の金字塔を打ち立ててくるとは思いもよりませんでした。今時こんな曲書けるのは「つんく」くらいと思わせる「こってり」とした味わい「俺の女子力」が大爆発しています。今年足りなかったつんく成分を保管すべく狂ったように聞きまくってますもん。ありがとう上げてくれた人。
書きたいことはまだまだ山ほどあるのですが、年を跨いでしまいそうなのでさすがに止めておきます。3行くらいで簡潔にまとめる予定でしたが長々と書いてしまいました。でも書かずにはいられなかったのです。
何でこんなに書きたいか分かりますか?!
てらにゃの事だからこんなに書くんだよ!
六月のSad Song
実力診断テストの事とか、加賀楓の事とか色々。書きたい気持ちがままならずYoutubeをいじくり回しては闇雲に「昭和のムード歌謡」動画を見たりして時間を浪費してしまう毎日。随分と久しぶりの更新となってしまいました。結局のところ、森本英世という稀代の名ボーカリストを擁する「敏いとうとハッピー&ブルー」最強という事で間違いなさそうです。
とか、そんな話は別にどうでもよくて。ハッピー&ブルーじゃなく、ハッピーソングに関するブルーな報告について少しばかり書かねばなりません。
不穏な空気を敏感に察知してにわかに湧き上がった一連の「うたちゃん騒動」でしたが、およそ考えうる最悪のかたちでの幕引きとなってしまいました。年明けの「ハロコン」で空前の「うたちゃんフィーバー」を巻き起こし、彗星のごとく「ハロプロ新世代」のトップランカーに躍り出た島村嬉唄ちゃんの脱退。めったなことでは本性を見せない、あの「ももち先輩」こと嗣永桃子さんが「まだ現実が受け止められず寂しく悔しい気持ちでいっぱいです。」と自身のBLOGで複雑な胸の内を明かしたように、メジャーデビューを果たし、まさにこれからといったタイミングで「カントリー・ガールズ」はグループのセンターを失ってしまいました。
残念ではありますが、この件をウダウダほじくり返した所でどうなるわけでもありません。何があったのかは知りませんが、確実に何かがあったのです。「うたちゃん」がステージ上で「うたちゃん」やれてたのも、ハロヲタ一同「うたちゃん」「うたちゃん」していられたのも「うたちゃん」周りの大人たちの協力なくしては最初からなかったという話です。
アップアップガールズ(仮)の仙石みなみさんがまだ「ハロプロエッグ」だった時代の話です。東京で行われるレッスンのたびに仙台から新幹線で通っていたという「遠征組」だった仙石さんは、ハロコン前の平日レッスンなどに思うように参加出来ず、ハロコンに出られる「地元組」との経験値による実力差が埋められなくなってきた事への焦りから、高校進学を機に上京したいと泣きながら両親に懇願します。仙石パパ苦渋の決断により「アイドルになりたい」という娘の夢を叶えるため家族そろって上京したという壮絶なエピソードが「TopYell」の最新刊に載っていました。
これ何が驚いたって父親が長年勤めていた会社まで辞めて、東京でハローワーク通いのあげくアルバイトからやり直したって事です。仙石ちゃんの親父ほど振り切った行動はさすがにレアケースでしょうが、いずれにせよ家族のサポートなくして「アイドル稼業」は儘ならないという話です。未成年であれば尚の事でしょう。
例えあなたが「ハロプロ」に憧れ、ルックスや才能にも恵まれた「逸材」であったとしても、親が芸能活動に理解がなかったり、家庭の事情で十分なサポートを受けられないといった理由から「オーディション」に参加することすら叶わないのであれば、どう転んだって「ハロプロメンバー」にはなれないし、中野サンプラザのステージに立つことも、自分の写真がプリントされたマグカップやらマイクロファイバータオルが販売されることも、ポケモーの変なアンケートに回答させられる事すらありません。
今の「ハロプロメンバー」にしたって何かのタイミングが少しでも狂っていたなら全く違う道を歩んでいたかも知れないのです。もしも「尾形はーちん」がフィギュアスケートの才能にもっと恵まれていたら…。もしも小関舞が「前の事務所」でトラブルに巻き込まれていなかったなら…。もしも大塚範一と軽部真一がHな同級生だったら…。言い出したらキリのない話です。
もしも、うたちゃんママが勝手に「モーニング娘。12期オーディション」に応募していなければ、そもそも我々は島村嬉唄という存在を知ることすら無かったわけです。これをもって「うたちゃんママ!短い間だったけど良い夢見させてくれてありがとう!!」とスッパリ前を向けるのか、「ウワーンその気にさせといて!!いきなり梯子外すなんて酷いや!酷いや!」と後ろを振り返ってしまうのかはアナタ次第です!!といった所でしょうか。
今となっては俄に信じがたいことですが、元をたどればカントリー・ガールズというユニット自体、昨年の「モーニング娘。12期オーディション」と並行して「カントリー娘。新メンバーオーディション」なんて募集したものの、たいして話題にもならず「該当者なし」で一旦白紙に戻されたような、はっきり言って「会長のきまぐれ案件」あつかいで誰からも期待されていなかった泡沫企画の焼き直し程度に思われていたフシがありました。ハロプロ研修生だった山木梨沙、稲場愛香の両名に関しては上手い具合に落とし所が見つかって良かったなくらいの思いはあったにせよ。
昨年11月のSATOYAMAイベントで、初めて観衆を前に「カントリー・ガールズ」としてお披露目された時には、小関舞がばっさり髪を切らされボーイッシュキャラになっていたり、稲場愛香がデコ出し強要させられてたりと「嫌な予感」だらけの余計な味付けてんこ盛り状態で、おまけに「キッズダンスコンテスト」に話題を全部持ってかれるという散々な船出。いわばノーマークの存在だった彼女たちが「カウントダウンコン」でのオリジナル楽曲「愛おしくってごめんね」「恋泥棒」の披露をきっかけに大ブレイクを果たし、今年3月に再びSATOYAMAイベントが行われる頃には完全に話題の中心として、押しも押されぬ人気グループに変貌を遂げていたわけです。
ユーストリームによる生配信やニコニコ生放送のおかげもあり、充実した在宅SATOYAMAライフを過ごさせてもらった身としては、葛城ユキのモンゲー岡山やら忍ツクにハロプロ研修生地方組が大集結といったハイライトと呼べる場面はいくつもありましたが、その中でも、ひときわ強烈なインパクトを残したのが「山梨県PR」のステージにカントリー・ガールズが現れた場面でした。おそらく会場に散在するヲタにとって予想外のタイミングでのカントリー・ガールズ登場となったのでしょう。ステージ前にはあまり人が集まっていなかったのだと思われます。そこでメンバーを引率するようにステージに現れた嗣永PMが、まるでベテラン教師が今から授業でも始めるかのように「はいはーい授業始めますよー。席に着いてくださーい。」みたいな調子でこう言い放ったのです。
「はーい。カントリー・ガールズだよ~、みんな集合してね~。はいっ、ステージにカントリー・ガールズいますよ~。みなさん走って走って、カントリー・ガールズいますよ~。勢いのあるカントリー・ガールズですよ~。みなさーんお集まりください、大丈夫かな~。はいっ、集まりましたお願いします。」
人を小馬鹿にしたような、ホント憎ったらしい口調なんですよこれが。もし自分が「勢いのないアイドルグループ」のメンバーだったら奥歯ギリギリ噛みしめるレベルの憎ったらしさです。もうなんかFUJIWARA原西さんのギャグ「俺やで!」の境地といいますか、ヲタ扱いの雑っぷりも含めてスゲー面白かったわけです。
最後の「お願いします。」でMCの篠田潤子さんに振るのですが、この言い方がお気にめさなかったのか「しのじゅんさん」少々カチンときちゃったようで「はい、承知致しました~」と一旦は冷静をよそおい進行しかけるも「あれ、カントリー・ガールズってこんなキャラだった~?何か透明感ある初々しい新人って聞いてるんですけど?」と、やんわりした口調ながらトゲのある質問をぶつけてきます。大人の嫌味ってやつですね、これ森戸ちゃんだったら震え上がって耳が赤くなるレベルの恐ろしさです。しかし嗣永PMそんなもんで臆するようなタマじゃない、事務所の先輩だろうが一歩も引きません。「あーもうその通りじゃないですか、透明感あって初々しくって」とサラリとすっとぼけて見せる、なに余計なこと聞いてんだよこのクソ婆あと言わんばかりの小馬鹿にした物言い。何でしょう大奥でしょうかこれは。で、桃子と潤子のガンのくれ合い飛ばし合いとかは別にどうでもよくて、冒頭にあった「勢いのあるカントリー・ガールズ」発言に象徴されるような場面が、スカパーで全国に生中継された「ひなフェス」でも展開されるのです。
言うまでもなく、今年上半期のハロプロを代表する楽曲「愛おしくってごめんね」を披露するのですが、冒頭のMCで稲場さんからの「ももち先輩、可愛く曲紹介お願いします。」というフリを受けて、PMお得意のファニーボイスで「愛おしくってごめんね」と可愛く曲紹介するも、無常にもブザー音にかき消されるという上記PVどうりのお約束。すぐさま山木さんが「ももち先輩の可愛さは合格点以下」と毒を吐きつつ「ここはやっぱり嬉唄ちゃんが」と代わりに「うたちゃん」が曲紹介するヲタまっしぐらの展開。あっさりとイントロが始まり、颯爽と踊りだす嬉唄ちゃんを尻目に唖然として立ちすくむ嗣永PMの顔芸でひと笑いあったところで、そのままスッと曲に入っていくという、このベテランコミックバンドのような小粋な曲の入り方をサラリとやってのけます。誰が本書いたのか知りませんが、これが実にカッコ良かった。普通にやるだけでも間違いなく受ける「鉄板ネタ」みたいな曲を、さらに後乗せサクサクで美味しくしてしまおうという貪欲さたるや。まさに時の勢いを感じさせる一場面でした。
Berryz工房の活動停止。道重さゆみの卒業。つんくプロデュースからの脱却を余儀なくされ「ハロプロ」が大きく変わろうとするタイミング。愛おしくってごめんねのセリフパートのハマリ具合。振り付け含めポップスとしての完成度の高さ。メンバー全員小柄なところ。山木さんのアディクション。数え上げたらキリがなく、まさに全部マジック、きっとマジックだったのかも知れません。
『WEBデビュー』にて、3月25日にメジャーデビューを果たす、カントリー・ガールズのインタビューをアップ!! https://t.co/ifV8DwX0BC 動画コメントもあわせてチェックしてね~♪ https://t.co/B5V43XZDdB
— Deview/WEB「デビュー」スタッフ (@Deview_staff) 2015, 3月 19
『WEBデビュー』でのインタビューの中で、嗣永桃子は「カントリー」メンバーそれぞれの魅力を聞かれ、島村嬉唄についてこのように述べています。
嬉唄ちゃんは、必要以上に恥ずかしがり屋。でもステージを見ていてオーラがあるんですよ。まだ芸能界に入って4ヵ月なのに、初めからオーラがあるということは、そもそも芸能人の素質があるのかなと。あと、ちょっと弱々しい感じかなと思ってたんですけど、今インタビューの受け応えを聞いてたら、思ったよりしっかりしているし、文章力もあるし、そういうギャップもたまんないんじゃないかな。
さすが、世が世なら教鞭をとっていた人物だけに、実に的確な人物評となっています。嗣永PM自身アイドルとして長年に渡って活動してきて、先輩後輩合わせて何人ものアイドルを見てきた中で「最初からオーラがある」という言葉で語られたような、いわば「生まれ持って華のある」タイプが、いかに貴重な存在であることも重々承知のことでしょう。だからこそ彼女は事あるごとに「うたちゃん」に無茶振りをして「うたちゃん」をイジって「うたちゃん」を恥ずかしがらせてきたのです。言うなれば人一倍「うたちゃん!うたちゃん!」してきたのが嗣永PMであり、まさに「うたちゃんフィーバー」を仕掛けた張本人に他なりません。
「アイドル」と「先生」という2足のわらじ。嗣永桃子が叶えたかった事を一挙に実現する、まさに夢のようなグループが「カントリー・ガールズ」といえます。新人アイドルである「生徒」たちを、アイドルの先輩であり「先生」である「ももち先輩」が教育していくという図式、いまだ嘗て無かったアイドルグループの新機軸です。そしてメンバーの中で唯一人「芸能活動未経験者」だった「うたちゃん」は、嗣永先生にとって初めての教え子と呼べる存在だったのではないでしょうか。
今回の件って「事務所」も「ヲタ」も「メンバー」も「島村家」も一様に傷ついて、結局誰も得してないという。その中で「うたちゃん」本人の意志だけが置き去りにされてしまったように感じて、どうにも喉の奥に小骨が刺さったままのヒリヒリが残るのです。
ハロプロを10年以上見続けているようなヲタなら、こういった悲哀に満ちた「生臭い」経験を幾度となく乗り越えてきたことでしょう。去る者がいれば、新たに入ってくる者もいる。ハロプロってのはそういうもんだと達観している部分もあるわけです。それが本人の意志だったり、本人の行動によって引き起こされたものなら、残念だけど仕方ないわけで。ただ、そうじゃない場合は、そうじゃない。
ちょっと終わりそうもないんで、強引にまとめに入ります。
今回の件の第一報が入った日、まさに「℃-ute」が7年ぶりにミュージックステーション出演を果たした日でもありました。それまでの祝賀ムードから一変してお通夜状態に陥ったことが思い出されます。よく知られるように℃-uteというグループは長い歴史を持っており、結成が2005年ですから今からちょうど10年前ということになる。インディーズ活動を経て2007年2月に「桜チラリ」でメジャーデビューするのですが、厳密には2006年にDVDとアルバムでメジャーデビューしています。デビューアルバム「キューティークイーン VOL.1」発売直後にグループを脱退したのが、当時中学2年生だった「村上愛」でした。
グループの根幹を揺るがしかねないキーパーソンの脱退ということで、どうしても今回の件と重なってしまいます。公式HPによる事後発表。今回とは違い、本人からのコメントこそ記載されましたが、最後のステージは用意されませんでした。脱退直後に行われた「アルバム発売記念イベント」ではリーダー矢島舞美による説明と残りのメンバーでこれからは頑張っていく事が表明され、それを最後に長い間「村上愛」の名前がメンバーから聞かれる事はありませんでした。おそらく今回の件もカントリー・ガールズ各メンバーのBLOGでの報告を最後に「うたちゃん」の名前がメンバーから聞かれることはないでしょう。ただし、℃-uteに関してはハロープロジェクトキッズ10周年あたりから状況が徐々に変わり始め、折に触れて元メンバーや当時のエピソードなんかも普通に話せるようになりました。先日の横浜アリーナで行われた単独公演には元メンバー全員が招待されたようで、現在「ダンス講師」として活動する元℃-uteメンバー「村上愛」は、このようにツイートしています。
いやー。久々に声が出るくらい泣きました。笑
— meg❤︎ (@Mgm5683) 2015年6月13日
いろんなこと乗り越えて、ここまで来たんだよね。
心からおめでとう!
そして私にもあんな素敵な景色をみせてくれて本当にありがとう。
感動しすぎて言葉がでませんでした。
改めて!
10周年おめでとう!!
何年経っても大事な仲間です。
後に語られた「村上愛脱退」当時のエピソードで最も印象深かったのが、村上愛が脱退することがメンバーに伝えられた日の話です。メンバーがレッスンスタジオに集まっていたところ、会社の人に連れられて村上愛が遅れてやって来る。どうも様子がおかしい。全員集合させられて、そこで村上から直接「℃-uteを脱退」する事が説明されたそうです。そして、この日でお別れになるからと、レッスンスタジオの鏡の前で最後に「わっきゃないZ」を8人で踊ったという話です。わりと軽めのトーンで岡井ちゃんあたりが「あれ何だったたんだろうね」なんて話していたのですが、当時小学生とかなんで無理もない話なんでしょうけど。ただ、当時の村上愛がどんな気持ちで踊っていたのかを想像したりとか、そこから完全に道が別れちゃった事なんかを考えると胸がヒリヒリするんですね。℃-uteが「つんく」に書いてもらった初めてのオリジナル楽曲「わっきゃないZ」を最後に踊ったってのがまた何とも。まるで映画や小説のワンシーンみたいな話です。もちろん映像も何も残ってない、かなりの時間が経過して完全に思い出になってからようやく語られた話なんですよね。
ウダウダと書いてしまいましたが、そろそろ終わりにします。つまり「うたちゃん」がメンバーと最後に「愛おしくってごめんね」を踊ることすら出来なかったのだとしたら、それは本当に悲しいことだなあと思ったわけです。
春の公開実力診断テスト前日のあれこれ
なんか「つばきファクトリー」だとか「たぬきファクトリー」だとか、ハロプロ最前線では色々と大きな動きがあったようです。そりゃあ新ユニット結成はおめでたい話なんでしょうが、皮肉にもこれが年に一度の大イベント「ハロプロ研修生 発表会2015 ~春の公開実力診断テスト~」に思わぬ影響を及ぼすことになりました。
それなりにグループとしての経験を重ねた「こぶし」メンバーが「テスト免除」なのは当初から織り込み済みでしたから、まあ仕方ありません。そりゃあ「広瀬彩海」や「井上玲音」のソロアクトは見てみたかったし、その実力のほどを診断したかったという思いはあるにせよ。しかしこれ「つばき」までとなると話は変わってくるのです。
こんな土壇場になって、優勝候補の一角と目されていた「岸本ゆめの」をはじめ、この一年で前髪も実力も良い感じに伸ばしてきた「新沼希空」、トレイニー時代には中心メンバーとして活躍してたっぽい「小片リサ」も参加しないとか、とりわけ超新星「浅倉樹々」のソロアクトには「Juice=Juiceの金澤朋子ちゃん」を筆頭とするハロヲタ諸氏からの注目度も高かったはずです。「谷本安美」さんに至っては歌声すらまともに聞いたことがないという事実。そして「山岸理子」による、あの伝説の「桃色スパークリング」が再び聞けるかもしれないという僅かな可能性すら無常にも消滅してしまったわけです。
テストへの参加を回避する為に大慌てで立ち上げられた感すらある、今回の「つばきファクトリー」結成のドタバタ。最近加入したばかりの「右も左もわからない」ような新人研修生8人を急遽「実力診断テスト」に投入するあたり、いかにも参加人数大激減による穴を無理やり埋めた感満載じゃないですか!!なんですかこれは!!
めちゃめちゃ面白いじゃないですか!!!
こんなもん見たいに決まってるじゃないですか。まあ最初から参加する気まんまんでしたけどね。本当は御堂会館あたりでやってくれると交通費的にモンゲー助かるんですが、そこはやはりハロプロの聖地中野サンプラザまで行くより仕方ないわけで、この一年は毎日のようにもらいタバコを繰り返し、何とか交通費を捻出することに成功しました。人として大切な何かを失ったとしても、投じなければならない一票がそこにあるんです!!*1
加賀楓 SHALL WE LOVE?(ごまっとう 曲)
山木梨沙 女と男のララバイゲーム(モーニング娘。曲)
田口夏実 100回のKISS(松浦亜弥曲)
横川夢衣 ベーグルにハム&チーズ(℃-ute曲)
井上ひかる 大人なのよ!(Berryz工房曲 )
牧野真莉愛 ハッピーサマーウェディング(モーニング娘。曲)
藤井梨央 旅立ちの春が来た(スマイレージ曲)
新沼希空 大好き100万点(モーニング娘。譜久村聖 石田亜佑美曲)
田辺奈菜美 ベーグルにハム&チーズ(℃-ute曲)
羽賀朱音 なんちゃって恋愛(モーニング娘。曲)
小川麗奈 さくら満開(モーニング娘。さくら組曲)
三瓶海南 五月雨美女がさ乱れる(Juice=Juice曲)
浜浦彩乃 ヤキモチをください!(Berryz工房曲)
岸本ゆめの REAL LOVE(Berryz工房 菅谷梨沙子曲)
一岡伶奈 自信持って 夢を持って 飛び立つから(モーニング娘。高橋愛曲)
段原瑠々 Memory 青春の光(モーニング娘。曲)
稲場愛香 スキちゃん(スマイレージ曲)
船木結 DESTINY LOVE(High-King 曲)
佐々木莉佳子 奇跡の香りダンス。(松浦亜弥曲)
野村みな美 My Days for You(真野恵里菜曲)
吉橋くるみ 泣いちゃうかも(モーニング娘。曲)
大浦央菜 スッピンと涙。(後藤真希曲)
室田瑞希 Memory 青春の光(モーニング娘。曲)
和田桜子 ブギートレイン'03(藤本美貴曲)
山岸理子 会いたい 会いたい 会いたいな(℃-ute曲)
田中可恋 dearest.(松浦亜弥曲)
隔世の感のあるラインナップ。昨年参加した26人中、今回も参加するメンバーは赤文字にした僅か6人のみ。いかに「ハロプロ研修生」にとって激動の1年だったかが窺えます
直前まで参加するつもりで既に発表曲も決まっていたであろう「つばきファクトリー」の面々による大抽選会が行われ「テスト順」が決定。それを受けての出場者全員のコメント動画が矢継ぎ早にアップされたことで、いよいよ開催が直前に迫っていることを実感し、いやが上にも期待が高まります。
ハロプロ研修生 発表会2015 ~春の公開実力診断テスト~は以下の20名によって行われます。 なにげにソロアクトによるステージデビューって「松浦亜弥」や「藤本美貴」以来の事だったりするはず。これはもう大変です。もう絶対アレだなって思います。
① 泣き虫少年(2010 mix version) /Buono! 井上ひかる
② Be元気<成せば成るっ!> /Berryz工房 岡本帆乃花
③ 春 ビューティフルエブリディ /モーニング娘。 笠原桃奈
④ GOOD BYE 夏男 /松浦亜弥 段原瑠々
⑤ シャボン玉 /モーニング娘。 堀江葵月
⑥ GOOD BYE 夏男 /松浦亜弥 小野田紗栞
⑦ ロマンスの途中 /Juice=Juice 梁川奈々美
⑧ スキちゃん /スマイレージ 島野萌々子
⑨ FOREVER LOVE /℃-ute 橋本渚
⑩ もっとずっと一緒に居たかった /Berryz工房 横川夢衣
⑪ Love take it all /℃-ute 加賀楓
⑫ 夕暮れ恋の時間 /スマイレージ 仲野りおん
⑬ 背伸び /Juice=Juice 高瀬くるみ
⑭ Dream Last Train /トリプレット 竹村未羽
⑮ 泣き虫少年 /Buono! 一岡伶奈
⑯ The Power /℃-ute 秋山眞緒
⑰ 君さえ居れば何も要らない /モーニング娘。 金津美月
⑱ 大好き100万点 /モーニング娘。 小野瑞歩
⑲ 21時までのシンデレラ /Berryz工房 船木結
⑳ 好きな先輩 /モーニング娘。 前田こころ
選曲と出場順が決まったことで色々考えてたんですけど、やはりヲタが一票を投じる「ベストパフォーマンス賞」の行方は、どうしたって「段原瑠々」を中心に展開すると思うわけです。昨年の「公開実力診断テスト」で段原はベストパフォーマンス賞を取りましたが、実際そこまで圧勝したわけでもありませんでした。これは投票する時に全部の投票箱の中を覗きまわっていた人の証言からも明らかで、あの自分自身なんですけどね、見たところ票はかなり割れてましたから段原、室田、岸本、田辺あたりで。
本当なら「室田瑞希」が取らなきゃいけなかったんですよ去年は。でも、誰の目にも分かるくらい見事にプレッシャーに押しつぶされちゃったんですね。勝手に自滅しちゃった。室田に投票する気満々だった人たちの票が分散した結果、大きなミスのなかった段原への票がわずかに上回ったと、こう見るわけです。
人並み以上に歌えてはいるけど、どこか置きに行ったような印象が強くて歌の表現がタンパクで「ハロプロ的」ではないというのが昨年の段原から受けた印象で、荒いんだけど表情豊かでステージ全体を使ったパフォーマンスをしていた「岸本ゆめの」や、歌の世界に耽溺するような情感豊かな表現力を見せた「大浦央菜」により魅力を感じた口だったんですね。
段原が上手いのは最初から分かってたことで、Youtubeをチョット漁ればASH時代の動画なんてゴロゴロ転がってるし、彼女が人並み以上に秀でた歌唱力を持っていることなど容易に知ることは出来たわけです。だからこそ彼女がASH時代には持ち得なかった「ハロプロ」に来たことによって身につけたものを見たかったのかも知れません。
結果的にASHで身につけた、あるいは元から持ち合わせていた歌の才能によって名だたる「ハロプロ研修生」一同を一蹴してしまった事は、彼女にとって良かったのか悪かったのかは分かりません。昨年のつんく氏による段原評はこの通り。
今、こないだの研修生の中野サンプらの映像をスタッフと再確認中。段原は素質としての声質や声量、歌いまわしはレベルの高さを感じる。しかし、カラダそのものに入り込んでいるリズムは乏しく、音符が長い。それはダンスにも現れている。ここを鍛えなければハロー内で言う所の鞘師や愛理には及ばない
— つんく♂ (@tsunkuboy) May 12, 2014
段原からの解答が「GOOD BYE 夏男」という高難度の「リズム」を要求される楽曲だったことで俄然面白くなってきました。ただ昨年と違って「追われる立場」となる段原にとって、意外と「ベストパフォーマンス賞」連覇への道は険しいものになりそうです。もしも、パフォーマンス的に同等のインパクトを残された場合、投票するヲタの心情的には、おそらく段原にとって不利な方向に働くものと予想されるからです。
「船木結」「加賀楓」あたりが想定通りのパフォーマンスを無事やりきることが出来たのなら大きく票は動くでしょうし。あるいは大半のハロヲタにとって未知の実力者「堀江葵月」が「シャボン玉」でアッと言わせる展開があるのかも知れません。
ただ「ベストパフォーマンス賞」とは別の観点から「実力診断テスト」本来の意義みたいなものに立ち返って考えてみると、昨年の「稲場愛香」や「野村みな美」のように直接投票には繋がら無いまでも、いかに自分のキャラクターを強く打ち出した、自分に合った選曲や衣装選びが考えられているか、こういった「自己プロデュース力」が実は重要な事であって、観客のみならずアップフロント幹部連中にどれだけ自身の魅力をアピール出来るかが「デビュー」への鍵を握っていることを忘れてはなりません。「高瀬くるみ」「小野田紗栞」「一岡伶奈」あたりに期待したいところです。つんく氏の言う「最後は君の腕次第」ってやつです。
とか何とか偉そうに講釈をたれたところで、案外よくわからない初ステージの新人研修生が全て掻っさらっていくような 展開になったとしても、それはそれで有りです。
*1:本当はそんなものなどありません。